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これを読めば無垢床マスター!~特徴・価格まとめ~

家に入った瞬間に落ち着きを与えてくれる木の香り。
湿気の多い夏でもベタつかずサラサラな触り心地。
冬でも冷たくない足裏。

今回はそんな床材、無垢について書いていこう。
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床の種類

フローリングシール・プリントシール・化粧シートなど色々な呼び方があるが、ここで『プリントシール』と呼ばせてもらう。
床材は大きく分けて2つ、合板に木目調のプリントシールを張るタイプと、本物の木を使用する無垢に分かれる。

また無垢でも全てが本物の木を使用するもの、表面のみ本物を使用するものに分かれる。

一条工務店やPanaHomeなどが標準採用している床材は『突き板(つきいた)』と呼ばれ、表面0.2ミリに無垢を使用している。
朝日ウッドテックから出ているLive Naturalという商品を各ハウスメーカーが標準採用。(図右)
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ちなみに図左のPremium Live Naturalという商品は『挽き板(ひきいた)』と呼ばれ、表面2mmに無垢を使用している。
一条工務店もPanaHomeもオプション(追加料金)で突き板→挽き板にグレードアップが可能。

突き板に比べ挽き板の方が木の厚みがあるため、溝の凹凸が強く表現され存在感が増す。
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図上:挽き板(表面2mmが無垢)
図下:突き板(表面0.2mmが無垢)

それに比べ無垢の継ぎ目は更に凹凸が強く表現され更に存在感が増す。
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(左からチーク・オーク・ブラックウォールナットの無垢)


突き板・挽き板の特徴

無垢の欠点の一つ、時間経過や温度・湿度変化により反りが発生しやすい点をカバーしたのが突き板と挽き板だ。
無垢は一枚板を使用するのに対し突き板・挽き板は合板の上に薄い無垢を張り付けることにより反りが発生しない。
それにより床暖房対応の突き板・挽き板が
多く出回っている。
(なかには床暖房対応の無垢、床暖房非対応の挽き板も存在する)

表面は無垢を使用しているため、時間計かによる色合いの変化も楽しむことができる。
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(引用:永大産業公式ホームページ)

商品・仕上げ方法により変わるが、挽き板(表面2mmが無垢)は傷や染みはヤスリで削ることにより、新築時の綺麗な状態に戻すことができる。
突き板(表面0.2mmが無垢)は薄すぎて削ることができない。

無垢は調湿という性質を持ち合わせているが、厚みの薄い突き板・挽き板ではこの性質が無い。
だからこそ床暖房を使えたり、反りが発生しないメリットがある。

全ての会社では無いが有名な朝日ウッドテックは一枚板を張り合わせるわけでなく↓のような板を張り合わせる。
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本当の継ぎ目とダミーの継ぎ目が存在する。
ただパッと見ただけではどこが継ぎ目か分からない。
目を凝らせばわかる程度だ。

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朝日ウッドテックLive Natural(突き板:0.2mm)

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朝日ウッドテック Premium Live Natural(挽き板:2mm)

無垢の特徴

無垢は反り・割れ・暴れなど扱いが困難と言われている。
正しい施工をすれば反りや割れは無いと言われているが、これは工務店の経験値や正しい施工を心掛けるかによって良し悪しが出る。

傷にはとても弱い。
固い木から柔らかい木まであり、固い木の方が傷には強い。
しかしプリントシールと比べるとやはり劣る。
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↑同じ位置に机・椅子を起き続けると凹みやすい。

ただ傷つきやすい反面、時間経過と共に目立ちにくくなる性質がある。

日焼けはもちろんする。
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↑埼玉に根強いポラスというハウスメーカーの住宅展示場
手前と奥では日焼けの差が出ている。
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↑スウェーデンハウスの日当たりが良い場所と扉奥の日焼けの差
奥の濃い色が日焼け前、手前が日焼け後。

木の香りが続く。
突き板・挽き板ではほとんど無いが、無垢だと床材に限らず木の香りを強く感じることができる。
またこの香りにはリラックス効果も含まれている。
年々木の香りは減っていくし、人の嗅覚は同じ臭いを嗅ぎ続けるとその臭いを感じなくなる性質があり、住人は2~3年もすれば木の臭いを感じなくなると言われている。

メンテナンスをすれば新品に近い状態まで戻る。
とある実験をしてみた。
オイルで手入れされた無垢にペンで落書きをし染みを表現。
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この染みを消すためサンドペーパーで削る。
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表面の染み・オイル塗装が削られ本来の色に戻る。←これが新品に近い状態
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削った部分にオイルを塗る。
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これで染みができる前に戻すことができる。

何年も手入れをしない床を削ると新築時の床に近い状態まで戻り、香りもふんわり感じることができる。

↑無垢床を削り新品同様に戻す動画(約90秒)

商品やグレードによるが、ほとんどの無垢は一枚板を採用している。
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↑長さの違う一枚板のブラックウォールナット

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施工方法

木は伐採後も調湿機能があり、夏のように湿度が高いときは空気中の水分を吸収、冬のように乾燥時には木に含まれる水分を放出する。
これの性質をもつ無垢材は収縮が発生するため、施工時にスペーサーと呼ばれる紙を挟んであえて隙間をつくる。
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↑緑の紙がスペーサー
このスペーサーを挟まずに施工すると、水分を吸収し木が膨らんだときに反りや浮き上がりが発生する。
また接着剤の付けが少ない場合も同様に反りや浮き上がりが発生しやすい。
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↑フローリング用接着剤

突き板・挽き板は調湿機能が無いことから、収縮も無く暴れがまずない。
そのためスペーサーを使用しなければ、接着剤の付けも無垢ほどしっかり塗らずとも良いとされている。
無垢床を施工する際、経験値や正しい施工を心掛けるかどうかに大きく関わるというのはこれらが理由だ。

メンテナンス方法

オイル・ワックス・ウレタンなど、メンテナンスに様々な方法がある。
大きく分けてウレタンのような表面コーキング、オイル・ワックスのような浸透系塗装の2種類に分類。
ウレタン塗装は表面に硬い膜をつくり、水を弾き傷も付きにくい。
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↑ウレタン塗装をしたブラックチェリー
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↑強く傷をつけると表面の膜が削れ白くなりやすい
ウレタン塗装は専門業者に依頼する事がほとんどで、素人の塗装は厳しいとされている。

オイル塗装(オイルフィニッシュ)やワックス塗装はウレタン塗装のように木に浸透させ硬い膜をつくるわけでなく(薄い膜はできているかもしれないが)木に塗料を浸透させる。
オイル塗装は木の表情をしっかりと出し、濡れたような色合いに仕上がり、木の風合いが増す。
ワックス塗装はウレタンまでいかないが、木の表面で汚れをガードする機能をもたせ、塗装前後の色変化が少なく木そのものの表情を楽しむ。
無塗装に近い仕上がりだ。

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↑質・価格ともに定評のあるワトコオイルと、塗る前後の色合い

オイル・ワックスについては、好みもあるが樹種との相性もある。
広葉樹にはオイル塗装が多く、暗い色のウォールナットや節が多い樹種に相性が良い。
オイル塗装はカバザクラ・メープルのような明るい樹種との相性が良い。

ウレタン塗装はどの樹種にも対応。
体育館や靴で歩ける場、店舗などでよく使用される。
メーカー・商品にもよるが、突き板は0.2mmと薄いことから表面が傷つかないようウレタン塗装をしているものが多い。
またウレタン塗装はメンテナンスフリーで、傷が気にならなければ基本的に再塗装などはない。

オイル塗装・ワックス塗装は半年~1年を目処に再塗装が推奨されており、メンテナンス性ではウレタン塗装に軍配が上がる。
しかしウレタン塗装は表面に硬い幕ができることから、木の香りや調湿機能は著しく落ちる。

私としては手入れで愛着が持て無垢の性能を十分に発揮できるオイル塗装・ワックス塗装を推奨する。

無垢の寿命と最大の特徴

先程紹介した動画・実験の通り、無垢は削り再塗装により新品同様に生き返る。
この点に関しては半永久的に使用できる床材と言っても過言ではないだろう。

木の香りについては先ほど触れた通り、ピークは3年程度。
収縮も特に3年、大きく動く。
時間経過により香り・収縮幅は少なくなるのだ。

調湿機能については、部屋の湿度を大きく変える程の性能ではない。
床表面付近の湿度を多少変える程度だ。
しかし木の中まで空気中の水分を吸収する無垢は、意外にも床表面はサラサラしている。
また夏はひんやりし冬は冷たくならない。
この2つの性質こそが無垢の最大の特徴だと私は感じている。

調湿実験

フローリングシール・突き板・無垢の調湿効果を調べるため、冷蔵庫に3枚の床材を入れる。
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丸一日冷蔵庫保存で冷やした後、外に出し結論の具合を比較する。
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実験に使用する床材は右から
DAIKEN:トリニティ(フローリングシール・無塗装)
朝日ウッドテック:Live Natural(突き板・ウレタン塗装)
MARUHON:カバザクラ(無垢・無塗装)

触感温度
無垢≪突き板<フローリングシール
フローリングシールと突き板はあまり温度差を感じない。
だが無垢は両床材より冷たくない。

結露具合・触感
【無垢】
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水分を含みしっとりとしているが、肌触りはサラサラで結露は一切なし。

【突き板】
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表面にうっすら水滴が見える。
全体的に結露し、手をつけると跡が多少わかる。
肌触りは少しベトベト。
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【フローリングシール】
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突き板以上に結露する。
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手の跡もはっきりわかる。
肌触りはとてもベトベトし不快に感じる。

画質が良くないことから伝わりにくいと思う。
実際に自分で実験をしてみるとその肌触り、結露量に驚くだろう。

この実験でもわかる通り、肌触り・調湿機能・触感温度はずば抜けて無垢が良い。
ただメンテナンス性・コスト・性能・風合いを天秤にかけると、全ての床材に一長一短ある。

価格

これより紹介するのはあくまでメーカー小売り希望価格。
各社がオープンにしている価格だが、実際に工務店・ハウスメーカー・棚卸し業者へ卸す金額ではない。
年間仕入れ量・商品のグレード・付き合い年数など様々な条件が加味され、業者ごとに金額が変わる。
各社に問い合わせをしても実際の卸し価格は教えてくれない。
どこも口を濁らせながら「工務店さんに聞いてください」「業者により販売価格が異なります」とのことだ。
ネットで口コミを調べると4~7割の価格で卸されることが一般的らしい。

ここではオークという樹種で比較していこう。
会社
商品名
1坪あたりの金額
一軒あたりの金額

(一軒あたりの金額→床材面積30坪で計算)

朝日ウッドテック
Live Natural(突き板)
43,000円
1,290,000円

朝日ウッドテック
Premium Live Natural(挽き板・節が多い)
70,300円
2,109,000円

朝日ウッドテック
Premium Live Natural(挽き板・節が小ない)
82,700円
2,484,000円

MARUHON
ヨーロピアンオーク(無垢・幅90mm)
44,550円
1,336,500円

MARUHON
ヨーロピアンオーク(無垢・幅200mm)
79,200円
2,376,000円

ちなみに人気のブラックチェリーやウォールナットの無垢だと…

MARUHON
ブラックチェリー(無垢・幅130mm)
87,450円
2,623,500円

MARUHON
ウォールナット(無垢・幅130mm)
105,600円
3,168,000円

オークだけで見ると一番安いLive Natural(突き板)の43,000円/坪:1,290,000円/1軒、一番高いPremium Live Natural(挽き板・節が小ない)の82,700円/坪:2,484,000円/1軒。
1坪あたり約4万円、1軒あたり約80万円の差になる。

無垢で安く私が気になっているカバザクラという樹種は…

MARUHON
カバザクラ(無垢・幅90mm)
36,300円
1,089,00円

なかなか価格を抑えて無垢を楽しめるかなと感じている。
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↑MARUHON:カバザクラ


今後の予定

今回は無垢に照準を合わせて記事を書いた。
先程も軽く触れたがメンテナンス性・コスト・性能・風合いを天秤にかけると、全ての床材に一長一短ある。
ただコストに関してはグレーな部分もあり、本当の価格が不透明でありうまく天秤にかけられない。
業者だろうが一般人であろうが同一価格で販売してくれる、庶民からしたら分かりやすい業者も存在する。
こちらの記事をなるべく早いうちにまとめたいと考えている。

本物の無垢をメインで取り扱うMARUHONや、突き板・挽き板をメインで取り扱う朝日ウッドテックは大手床材メーカーであり、大手ハウスメーカーやゼネコンに人気かつ商品も価格もなかなか良い。
そこである程度庶民に近い業者と比較することで、ひとつの物差しにしたい。

また今回は触れなかった無垢とその他の床材との、室内空気環境についても後々記事にしたいと考えている。

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おわりに

1年半後に家を建てるため日々勉強中。
その中で床材については少しずつではあるがイメージが固まり始めた。

と言っても樹種までは決まっていない。
素材は無垢を使い、メンテナンスをし、長く床材と付き合っていきたいと思うだけだ。
今後は家族みんなで無垢床の実物を見て触って素足で踏んで樹種を擦り合わせたい。

爽やかな印象を持たせるカバザクラやオークが現在の第一希望だろうか。
だがやはり濃い色のブラックウォールナットも男として心引かれる。

いろんな会社のサンプルをもらいに出回り、半畳分くらいは貯まったかな?(笑)
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さー今週末も床材を見に行くぞ(^^)!

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