今年も残り3週間をきり、昨日の審判で今年の審判は終了した。
1月から始まり83試合の審判を担当させていただき、西武ドームや大きな大会の決勝戦、元プロ野球選手でアトランタ五輪投手の小野選手、元DeNAの井出選手、2006年ヤクルトドラフト1位の増渕選手の審判など貴重な試合が多かった。
なかでも小野投手vs井出外野手の直接対決はしびれるものがあった。
試合中の直接対決は無かったが、試合後にエキシビションという形で夢の元プロ対決が実現した。
井出選手はその日2ホームラン。
小野投手は1イニングの登板で3者連続三振。
やはり草野球では別格の両者。
昨シーズンまでプロで活躍していた井出選手は走・攻・守において別格であり、小野投手は40代ながらも球威、変化球のキレが別格だった。
今シーズン私が担当した試合では間違いなくNo.1投手とNo.1打者だろう。
井出選手はそれまで金属バットで試合に出場しルール違反の飛距離を見せたが、小野選手とのエキシビションでは木製バットを取り出し元プロの意地を見せた。
結果はショートゴロと小野投手に軍配があがった。
しかし打球音・ゴロのスピードは私が今まで体験したものとは欠け離れ、井出選手も打ち取られたとはいえレベルの高さに驚かされた。
エキシビション後にはスタンディングオベーションで両者を祝福。
グランドにいた全員が興奮していたし私も同じだ。
これだから審判は辞められない。
しびれる瞬間は選手より審判の方が多いのではないかと感じるほどだ。
ファーストストライクがアウトローにビシッと決まり打者は手を出さない。
このようなプレーは見ている選手・観客は流しがちだが審判は違う。
アウト・セーフに関係ないプレーでも興奮を味わうことができる。
レベルの高いチーム同士の試合ならそれが頻繁に起こるが、そうでないチームでももちろん起こる。
草野球をなめてはいけない。
珍プレーが起こる確率はプロ以上であり、好プレーが起きたときの興奮はプロ以上にグランドにいる全員が感じ表現する。
草野球の審判に出会えて本当に良かった。
また来年も最高の興奮・幸せを感じるために審判を続けていきたい。