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スウェーデンハウスがローコストメーカーより性能が低い?~宿泊施設実験レポート~

埼玉県所沢市にあるスウェーデンハウスの宿泊体験施設へ行った。
目的はスウェーデンハウスで家を買うか悩んでいる訳ではない。
スウェーデンハウスは
『オリコン顧客満足調査 ハウスメーカー注文住宅4年連続総合第1位』
を獲得している。
満足度の高い家を提供するスウェーデンハウス。
この家を体感したかったのだ。
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スウェーデンハウスは価格も高く、一条工務店と比べても同じ大きさの家で約100万円高い。
またオプションを入れた一条工務店とオプションを入れていないスウェーデンハウス。
オプションを追加していけばその差が開くのは想像がつく。

正直スウェーデンハウスで家を建てることは無いと思いながら行った宿泊体験。
この気持ちが変わることはあるのだろうか。

宿泊施設はとてもオシャレでテンション上昇が止まらない。
そんなデザイン面紹介はコチラ↓

宿泊体験で温度変化実験

今回は宿泊施設にあった温度計を使用し、1時間毎に温度を測定。
測定場所はリビング・ダイニング・キッチンの窓際・2階のファミリースペースの4箇所。
またキッチンの窓際の温度計は室内・室外の両方を計測できるものだ。

18:00に宿泊施設の暖房器具を全て止め、翌日の10:00まで暖房器具は一切使用していない。
この宿泊施設の暖房器具はエアコンのみ。
※換気システムは熱交換型を採用し常時稼働。
熱交換率は90%である。
現在の法律では、2時間に1度家中の空気を入れ替えないといけない。
熱交換率90%とは外気温0℃で室内温度20℃のとき、外の空気を18℃にまで上げ室内へ送る。

これらの条件で行った実験結果がこちら。
(1:30~7:00は寝ているためデータ無し)
見にくいためまとめたデータも記載。
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↑寝る前の温度変化
↓起きた後の温度変化
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数値を拾ったものがこちら↓
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グラフにしたものがこちら↓
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データと体感

一番滞在時間の長かったリビングでは18時にエアコンを止め室温は24.5℃。
この室温であればもちろん温かく感じ、暖房器具無しで生活ができる。
就寝直前の1時には21.9℃。

7時間で2.6℃下がった。

しかし21.9℃でも暖房器具無しで十分温かい。

起床した7時、19.1℃まで下がりややヒンヤリ感もするが、起きて体が温まっているのもあるだろう。
すぐにヒンヤリ感は無くなった。

1時→21.9℃
7時→19.1℃
6時間で2.8℃下がった。

就寝前の2.6℃の下がり幅よりやや大きいが、これは外気温や1階に人が居なかった事が関係する。
人は体温が36℃前後あり呼吸もする。
暖房器具には及ばないが、室温の変化に大きく関係する。
また外気温は壁や窓を通じて室温の変化に大きく関係する。

この実験で驚いたことの一つに、AM7時~9時にかけてリビング温度の上がり幅が挙げられる。
暖房器具を一切使用していない。

2時間で19.1℃→21.9℃
2.8℃も上昇したのだ!

体感としても短時間で2.8℃も上昇すると温かさを感じる。
1階にはテラスと繋がる大きな吐き出し窓が2つある。
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この大きな吐き出し窓の影響が大きいのか、北面で日向のできないダイニングと比べても上昇幅が一目瞭然だ。
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もし昼過ぎまで暖房をつけずにデータを取ることができたらどこまで上昇したのか…
ワクワクが止まらない。
今回は宿泊体験という限られた時間の中で観測を行ったため、日中のデータをとれなかったことが心残りだ。


ユニバーサルホームと比較

スウェーデンハウスの宿泊体験をする1ヶ月前にローコストハウスメーカーのひとつ、ユニバーサルホームで宿泊体験をし同じ実験を行った。
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コチラがユニバーサルホーム宿泊体験記事↓

ユニバーサルホーム室温変化のグラフがコチラ↓
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もう一度スウェーデンハウスのグラフも見てみよう。
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(目盛り幅が違うので要注意)

こちらも同様18時に暖房器具を止め計測をしたが、朝7時には宿泊体験棟のルールで床暖房を入れた。
(私たちは10時まで滞在。10時以降は一般のお客さんが来る可能性があるため)

ユニバーサルホームの目玉『蓄熱基礎』はおもしろい。
床暖房で暖められた基礎は蓄熱し熱を持ち続ける。
そしてその熱は輻射熱となり、床から家を暖める。
床暖房を止めてもだ。

足元が温かいと体全体がホカホカしてくる。
同じ室温でも足元が温かい方が暑く感じるのだ。
スウェーデンハウスの室温の方が高いのは、このようなカラクリがあることを頭の片隅に置いてデータを見てほしい。


室温変化比較

ここではスウェーデンハウスのリビングと、ユニバーサルホームの天井付近(地上から約180㎝の高さ)で比較しよう。
(床付近の温度だと床暖房の効果で体感温度と差が出てしまうため)

【18時】
スウェーデンハウス:24.5℃
ユニバーサルホーム:21.1℃

【1時】
スウェーデンハウス:21.9℃
ユニバーサルホーム:19.1℃

【7時】
スウェーデンハウス:19.1℃
ユニバーサルホーム:17.1℃

【7時間(18時~1時)の温度変化】
スウェーデンハウス:-2.6℃
ユニバーサルホーム:-2.0℃

【13時間(18時~7時)の温度変化】
スウェーデンハウス:-5.4℃
ユニバーサルホーム:-4.0℃

比較まとめ

13時間での温度変化はユニバーサルホームの方が下がり幅は1.4℃少ない。

『なんだ、あんまり変わらないじゃないか!』

なんて声が聞こえてきそうだ。

ただどうだろう?
高級住宅で名高く顧客満足度でも1位を獲得しているスウェーデンハウスが、ローコストメーカーのユニバーサルホームより温度変化が少ないのだぞ。
壁の断熱材はスウェーデンハウスが120mm。
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ユニバーサルホームは75~105mm。
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断熱材でもスウェーデンハウスが勝っているにも関わらずだ。

私が両社に出してもらった見積書でもスウェーデンハウスでは29坪で予算オーバーに対し、ユニバーサルホームは34坪で予算内に収まるなど、施主からしたら嬉しいことばかりだ。

また今回の宿泊体験の場所と条件を比較してみよう。

【ユニバーサルホーム】
2/9~10
栃木県北部
最低気温-7℃

【スウェーデンハウス】
3/2~3
埼玉県所沢市
最低気温-1℃

3/1に春一番が吹き気温が急上昇。
翌日の3/2も風は強いものよ春の陽気に包まれていた。
それに対し1/22に降った大雪が路肩に少し残る2/9の栃木県。

条件としてはスウェーデンハウスで宿泊体験をした3/2の方が良い数値が出やすい。

それなのにこの有り様。
スウェーデンハウスがダメなのではない。
ユニバーサルホームの家造りが一枚も二枚も上手なのだ。

スウェーデンハウス営業マンの言葉

私は宿泊体験を当日、スウェーデンハウス営業マンに実験をすることを伝えた。
「ユニバーサルホームでは4.0℃しか下がりませんでした。高性能のスウェーデンハウスならそれ以上の数値を期待してます」

だが営業マンは弱気だった。
実験前から…
「うちの宿泊施設ではお客さんにデータをとってもらうんです。そのデータを見ると4.0℃以上は平均して下がります」

また実験結果を伝えると…
「やはりそうですか。ユニバーサルホームで建てられた方がいいんじゃないですか?」

まさかの敗北宣言。

というより、私のことを思って言った言葉。
この実験ではユニバーサルホームに軍配が上がったが、施主を思いやる営業マンの質の高さは流石だ。
こんなに素晴らしい営業マンがいるのだ。
顧客満足度1位も納得できる。

ユニバーサルホームの不安要素

このままではユニバーサルホームをべた褒めした回し者と思われるので、不安要素も紹介しておこう。
(私は建築関係者でもなければ、マイホームの勉強を始めて1年の素人です)

不安要素はズバリ電気代!

オール電化の一軒家で生活した際の電気代を両社案内してくれた。
電気代のトップシーズン1月の目安だ。

ユニバーサルホーム:約19,000円
スウェーデンハウス:約15,000円

この4,000円の差はほぼ暖房器具と思っていただきたい。
床暖房とエアコンを使用するユニバーサルホーム。
エアコンのみのスウェーデンハウス。
私としては床暖房に頼らずとも温かい家を造りたい。

電気代だけと思いきや、購入費用・メンテナンス費用を考えてもエアコンだけの方が安く住む。
機械はいつかしか壊れる。
そう思うと不安要素を残さないために、床暖房導入に消極的になってしまうのだ。

ただ床暖房の快適性は、お金を掛ける価値があるとも感じている。
こればっかりは個人の考え方だろう。


おわりに

ユニバーサルホームは蓄熱を活用した基礎がウリだが、床暖房無しの冬は床が冷たい。
言い方を変えれば『床暖房と基礎の相性はバツグンだが、床暖房無しでは冬は乗り越えられない』とも捉えられる。
蓋を開けたら電気代がとんでもないことになる可能性すらある。
そしたら床暖房の使用を躊躇いユニバーサルホームにした意味がない。
この点に関してもう少し勉強する余地がある。
ただスウェーデンハウスは家全体の性能が高いため、冬場の電気代に関する不安は無い。

私の職場には約200名在籍している。
家造りの話をしていたら、たまたまスウェーデンハウスに住んで7年の先輩がおり、面白い話を聞けた。
「冬場は温かいし3月に入ってからは暖房も夕方少しつけるだけだから、電気代はすごく安いよ。ただ夏は暑いんだよね。外から家に入ると『ムワッ』ってするんだよ。下手したら外より家の中の方が暑いんじゃないかな?笑」

様々な勉強をするなかで『冬を主とした家造り』をしようと心に決めた。
こちらに面白いデータがあるので、興味があれば見てほしい。

これらの記事からも夏場の暑さは軒や庇など、室内に日差しを入れない工夫により室温上昇を抑えることが分かる。
夏場の暑さは家の間取りや造りでカバーできるのだ。

冬にも夏にも対応した家造りを学び、かつ電気代を気にせず快適な生活を送りたい。
自らが勉強をすればスウェーデンハウスは素晴らしい家になると信じている。

ただ私の心はこの2社であれば、ユニバーサルホームに傾いているのは事実だ。
最高の家造りをし、床暖房やエアコンの性能を熟知し使用すれば、広い家で最高に快適な生活を送ることができるのではないか。
そう感じてしょうがない。

家を建てるなら注文住宅。
さらに言えば性能にこだわった注文住宅。
快適な家で健康で笑顔溢れる生活を。

家造りを考えているみなさんも、満足のいく家が建てられることを願いたい。

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