バックスクリーンで野球を見ること。
興行的にみれば打者・投手の対決を延長線上で見ることができる特等席であり、座席数も増やせると良いことづくめだ。
それでもバックスクリーンに観客を入れないのには理由がある。
打者・投手の延長線上というのが最大のポイントだ。
そこに白い服・ユニフォームを着た観客がたくさん座っていたら、応援団が白い旗を大きく振っていたらどうだろう。
打者・捕手・球審の三者は投球が見えづらくなり、当然打者の打率は下がる。
また投球が見えづらいということは、危険度が増すということでもある。
打者は危険球への反応が遅れる。
捕手は捕球ができない。
審判は捕球できなかった投球が直に当たる。
ちょっとした怪我では済まされないのだ。
公認野球規則によるバックスクリーンの制約はない。
しかしプロ野球の球場ではバックスクリーン下に座席を造らないか席を暗色にし、いずれにせよ観客を入場させない措置をとっている。
打者・投手の延長線上にあるのはバックスクリーンだけではない。
反対側にはバックネットがあり、バックネット裏には観客がいる。
これでは投手の危険度が増すと心配になるだろう。
しかし投手は安全面から見て三者(打者・捕手・捕手)ほど危険ではない。
捕手からの返球は投球ほど力はないし、見失ったとしても投手は三者に比べ逃げやすい体勢だ。
とはいえ強烈なピッチャー返しは危険度が増す。
投球時に観客が視界に入り気になる。
そこでプロ野球の球場では投手心理・安全面を考え、観客を座らせる代わりにさまざまな対策が施されている。
・ホームからバックネットまで距離をとる
・バックネット下部のフェンスを高くする
・バックネット下部を関係者室にし、スモークガラスにする
球場により色は異なるが、何かしら対策をし投手のストレス低減に努めている。
選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、球場造りから綿密に計算されていることがお分かり頂けただろうか。
プロ野球球場のグランドに立つとワクワクする。
それはプロがプレーする場に立てた感動だけでなく、地方球場では体感することのできない華やかさであったり、職人たちが選手を思い造り上げた魂が我々に伝染して起こる興奮ではないだろうか。
見方を変えてプロ野球の球場を見ると面白い発見が次々に押し寄せてくる。
知らず知らずのうちに、皆さんも球場のファンになっているだろう。
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