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2020年1月までにマイホーム引き渡し。間取り・価格・断熱に興味深々。暇があれば勉強にトコトコ。家、家、家…たまに野球。

一条工務店急成長の理由と『待った!』をかけるハウスメーカー8社

年々販売棟数を増やし続け、王者積水ハウスを抜く勢いの一条工務店。
なぜ一条工務店がここまで急成長を成し遂げたのか。
またそんな一条工務店に暗雲が立ち込めている現状を解説していく。

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一条工務店の価格帯

この記事を読み進めていくなかで重要となる、各社の価格帯をチェックしてもらいたい。

日本のハウスメーカーの価格帯は大きく分けて3つに分類される。

タマホームやアイダ設計など、手を出し やすい価格帯のローコストハウスメーカー

積水ハウス・住友林業・ダイワハウスなど誰もが一度は聞いたことがあり、ブランド力・性能・デザイン・価格帯において全てがトップレベルの大手ハウスメーカー

その間に位置するのが中堅ハウスメーカーであり、一条工務店はここに分類される。

一条工務店急成長の理由

「扉は内開き、外開きどちらにする?」
このように聞かれた日本人。
悩んでだした答えは
「引き戸(スライドドア)でお願いします」

何かと間をとりたがる日本人。
価格も性能もデザインも間を取りたがるから、中堅ハウスメーカーの一条工務店が急成長したのか?

もちろん答えはNOだ。
そんな単純な話ではない。

一条工務店急成長の裏側にはコストパフォーマンス時代の流れが大きく関わっている。

コストパフォーマンス

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タイルの外壁に全館床暖房、合計190mmの断熱材にトリプルガラス。
大手ハウスメーカーの目玉商品クラスを標準仕様で実現したi-smartとi-cube。

価格帯は中堅ハウスメーカーレベルの坪単価65万円前後。
大手ハウスメーカーなら坪単価80万円は下らない。

というより、他社ハウスメーカーでは断熱厚190mmやトリプルガラスなど「追加料金を払います」と言っても断られる所がほとんだ。

まさにハイグレードな家と他の追従を許さないコストパフォーマンスを実現したのが一条工務店なのだ。

時代の流れ

2011年3月11日に発生した東日本大震災。
日本人が痛感したエネルギーの大切さ
そして決心した省エネ

そんな中、一足早く超省エネ住宅を実現している一条工務店。
徹底したコスト削減により、他社の省エネ住宅より安く高性能な家を提供。
家づくりを深く追求した人ならたどり着くハウスメーカー。

時代の流れを先取りし、どこよりも早く高性能な家を作り続けた一条工務店。
これこそが急成長した真相である。

暗雲

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ハウスメーカーでは一社独走かと思われた一条工務店。
しかしここ1年、一条工務店の動きがどうもおかしい。

度重なる坪単価値上げに、標準仕様がオプションへ…
魅力の一つであるコストパフォーマンスが音をたてて崩れ始めた。
この原因を私なりに分析していた。

『東京オリンピックに向け人件費・建材の高騰』
『一条工務店フィリピン工場の2度にわたる全焼火災』

この辺だろうと思っていたら大違い。
どうやらハウスメーカー各社と国から良く思われていない事が原因だった。

8社会(はっしゃ かい)

今日まで日本の経済だけでなく、東日本大震災や姉歯一級建築士による構造計算書偽装問題の際、新基準や法整備を国と共に支えてきた大手ハウスメーカー。

中でも『8社会』と呼ばれる大手ハウスメーカー8社(積水ハウス・セキスイハイム(積水化学工業)・大和ハウス工業、パナソニック ホームズ・ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)・ミサワホーム・住友林業・三井ホーム)と国は密接な関係にあった。

一条工務店は8社会に入っていなければ、むしろ煙たがられている。

8社会に煙たがられている理由

一条工務店は一部上場をあえてしなければ、我が道を突き進む信念を持っている。
更には全国ほとんどの住宅展示場に出展するなど異様なハウスメーカーだ。

その上、コストパフォーマンスに優れ性能も頭1つ、いや2つ3つ抜きん出ている。
町の影響力の無い工務店ならまだしも、有名になりすぎた
ましてや独走体勢に入りつつあり、国も8社会も野放しにできなくなったのだ。

ではなぜ素晴らしい家を適正価格で売る一条工務店が目をつけられたのか、ZEHの例から見ていこう。

ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

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ZEHを簡単に説明すると…
家のエネルギー使用量を太陽光発電などでまかない、使うより創る電力を大きくする家づくり。

基準に達した家には国から補助金が出る仕組みで、現在6000以上の工務店が加盟している。

基準はとても厳しく審査に通る確率は60%と言われるなか、一条工務店は驚異の99%を叩き出している。

大手ハウスメーカーも数百万円のオプションで家のグレードを上げてZEHの審査に挑むなか、一条工務店は標準仕様に太陽光発電を乗せるだけで基準値に達する。
さらに太陽光発電も初期投資0円で乗せられるのだから一条工務店は凄まじい。

年間予算内で補助金が出るZEH。
早い者勝ちだ。

しかしそのほとんどを一条工務店がもっていくことから、ZEHは一条工務店のための制度と言っても過言ではない。

日本住宅の性能底上げに設けられた制度が、一社の割引制度となってしまった。

そんなZEHの制度が変化を始めた。
今までは早い者勝ちで、一社が独占しても問題は無かった。
しかしH30年度(2018年4月~)より、工務店・ハウスメーカー毎にZEHを適用できる数を割り振ったのだ。

H29年度までは年間予算に達するまで、一社で何件も申請できた。
しかしH30年度から『一条工務店は200棟までしかZEHを通しません』のように制限をかけられた。
(200棟はあくまでイメージ)

遠回しながらも一条工務店への制裁だ。

一条工務店の動向

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ZEH以外にも制裁があったのかもしれない。
一条工務店の家が売れにくくなる環境づくりとして。

足並みを揃えざるおえなかった。
今まで大手ハウスメーカー以上の性能を中堅ハウスメーカーの価格帯で売っていたが、性能を落とさず大手ハウスメーカーの価格帯に揃える道を選んだ。

今後の一条工務店を予想

目玉商品『全館床暖房』が進化を遂げようとしている。

「冬場しか使用しない床暖房を夏場眠らせるのはもったいないよね」
「なら夏場は冷やした液体を床暖房パイプ内に流して、部屋を涼しくしようよ」

そんな夢のような冷暖房機器が『さらぽか』である。

既に商品化されており、坪15,000円のオプション。
30~40坪であれば40~60万円で導入可能。
10年近く研究してきた、さらぽかの標準仕様化が当面の目標だろう。

この様に坪単価を上げ標準仕様の幅を広げる。
標準仕様の坪単価は大手ハウスメーカーと揃え、それらを外せば値引きをし差別化を図る。
単なる値引きをしない一条工務店のやりそうなことだ。

おわりに

8社会と国により骨組みされた住宅業界。
一条工務店の様な異端児を特別好まない。

それはなぜか?
答えは簡単『自社の家が売れなくなる』からだ。

細かく言えば、一条工務店の性能・価格が日本の標準となったとしよう。
他のハウスメーカーは抜本的な改革を余儀なくされ、倒産する企業が相次ぐだろう。

日本の住宅性能は先進国の中でも以外と低い。
逆を言えばもっと高性能の家を建てることができるのだ
もちろん適正価格で。

出る杭を打ってはならない。
本気で日本の住宅性能を上げたいのであれば、同じ土俵で真っ向からぶつかり合い、互いを高めあうべきだ。

営利目的でない家。
住み手の『健康・ゆとり・快適性』を第一に考えた家。
それこそが日本人が本来もつべき和の心ではないのだろうか。

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同じ大きさ・間取図で価格を比較。
見積書を掲載。
坪単価と注意点がまとめてある。




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