心も体も暖かい家づくり

2019年夏までにマイホーム引き渡し。家の快適さは大きさじゃない。家・家・家…そして家。頭の中は家一色。

世界基準の窓を採用している日本の家は15%!?~世界から見る日本の窓~

夏、クーラーで冷やされた熱。
冬、ストーブで暖められた熱。

この家の中を快適にする『熱』が室外へ逃げてしまってはもったいない。
一度調節した熱はなるべく家の中に留まってほしい。

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しかし家の中の熱は窓から50%以上逃げてしまう。
言い方を変えると、窓の性能を上げることが家の断熱性能を上げる近道と言える。

世界的に見て日本の家は断熱性能が低い。
しかし日本の窓性能は決して低くない。

ではなぜ日本の家の断熱性能が低いのか?
その背景を世界と比べながら見ていこう。


熱貫流率

この記事を読み進めるなかで押さえておきたいポイント、熱貫流率を知っておこう。

熱貫流率は[W/(㎡・K)]で表される。
室内外に1℃の温度差があるとき1時間に窓1㎡あたりを通過する熱量を示す。
数値が小さい程、断熱性能が高い。

世界と日本、窓の基準

世界各国、熱貫流率の制限を設けている。
この数値以下の窓は取り付けられない。
日本の基準はどの程度なのか、一つの物差しとなる。

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【ドイツ】
 全土
  熱貫流率≦1.3
【中国】
 厳寒地区
  熱貫流率≦1.6~2.3
 寒冷地区
  熱貫流率≦2.0~2.5
 夏暑冬冷地区
  熱貫流率≦2.5~2.8
【アメリカ】
 北部地区
  熱貫流率≦1.7
 中北部地区
  熱貫流率≦1.82
 中南部地区
  熱貫流率≦1.99
 南部地区
  熱貫流率≦3.41
【日本】
 1.2.3地域(主に北海道・東北・内陸の寒い地域)
  熱貫流率≦2.33
 4地域(主に関東・内陸地域)
  熱貫流率≦3.49
 5.6.7地域(主に関東以南)
  熱貫流率≦4.56

先進国で見ても日本の基準は低い。
しかも日本で建てられる家のほとんどは、この基準ギリギリの窓を採用している。

もちろん全てではない。
一条工務店やスウェーデンハウスなどは熱貫流率0.8~1.1W/(㎡・K)の窓を採用していることからも、各社によりばらつきが出ていることが分かる。

『基準内の窓性能だから問題ない』という訳ではない。
そもそも基準値が低いのにその基準値ギリギリの窓を使用しているのだから、熱の逃げは多いのも納得だ。

日本サッシの歴史

熱を通すのはガラスだけでない。
サッシも同じく熱を通す。
熱の通しやすさを順に並べると…

アルミ<アルミ樹脂複合<樹脂<木製

このように熱が通りにくくなる。
では次に日本のサッシの歴史を見てみよう。

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【1960年代~】
 アルミサッシ&単板ガラス
  熱貫流率:6.51W/(㎡・K)
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【1970年代~】
 アルミサッシ&複層ガラス
  熱貫流率:4.65W/(㎡・K)
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【1990年代~】
 アルミ樹脂複合サッシ&複層ガラス
  熱貫流率:3.49W/(㎡・K)
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【2010年代~】
 樹脂サッシ&Low-E複層ガラス
  熱貫流率:1.67W/(㎡・K)
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【最新の窓】
 樹脂フレーム&ダブルLow-Eトリプルガラス
  熱貫流率:0.91W/(㎡・K)
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参考:YKK apより

最新の窓(APW-430)は1960年代の窓と比べ、熱貫流率が7倍も良くなっている。

補足としてアルミと樹脂の熱伝導率は大きく異なる。
アルミ→200
樹脂→0.17
その差は1000倍。
樹脂窓が今後のスタンダードになってくるだろう。

世界と見る樹脂窓の普及率

窓の断熱性能を上げるためにはサッシを樹脂以上にしたいというのは、お分かりいただけたと思う。
では世界ではどのくらい樹脂窓が普及しているのかみてみよう。

韓国→80%
フランス→69%
アメリカ→67%
イギリス→66%
ドイツ→60%
中国→22%
日本→15%

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お近くの韓国が普及率80%と驚異の数字を叩き出すなか、日本は15%と足元にも及ばない。
住宅への意識が高いアメリカ・ヨーロッパも半分以上は樹脂サッシと高水準。

YKKで見る熱貫流率

日本の窓メーカーではYKK・LIXIL・三協アルミの3社が住宅業界を独占していると言っても過言ではない。
今回はYKKの窓の熱貫流率を紹介。

【APW430】
 樹脂フレーム&ダブルLow-Eトリプルガラス
  熱貫流率:0.90W/(㎡・K)

【APW330】
 樹脂サッシ&Low-E複層ガラス
  熱貫流率:1.31W/(㎡・K)

【APW310】
 アルミ樹脂複合サッシ&Low-E複層ガラス
  熱貫流率:2.15W/(㎡・K)

こちらの数値はあくまでホームページに出ているもので、窓の大きさやアルゴンガス・クリプトンガスなどによっても数値は変動する。

またホームページを探していると面白いものを発見。
APW430で一番熱貫流率が少ない(高性能)とされる条件で計測しても、1.38W/(㎡・K)しか記録しなかったとされている。

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ホームページやカタログでは0.90W/(㎡・K)だが、実際には約1.5倍の1.38W/(㎡・K)しか出ていない。

基準がとても厳しいとされているドイツの1.30W/(㎡・K)をクリアできる樹脂窓は日本には無いのかも知れない…


おわりに

日本の窓は決して性能がとても低い訳ではない。
ただまだまだ高性能窓を使わない風土が残っている。

いや、ハウスメーカーや工務店は言う。
『うちは樹脂サッシ複層ガラスの高性能窓を採用しています』
うん、とても引っ掛かるものがある。

樹脂サッシ&トリプルガラスは高性能であり、世界でも通用するがまだまだ標準仕様としているハウスメーカーは少ない。

トリプルガラスであれぼ、一条工務店やスウェーデンハウスが有名だ。
(スウェーデンハウスは木製サッシ)

日本は窓性能が低いというより、基準値が低いことが問題だ。

基準が低いことで、住宅会社は高価で高性能窓を選ばずとも家を建てられる。
安価で熱の逃げが多い窓を採用。

家の中の熱が一番逃げるのは窓。
これでは夏は暑く冬は寒い家になりやすい。

住宅会社はグレードの低い窓を勧めてくるかもしれない。
しかし住環境を快適にするためあえて、グレードの高い窓を選ぶという家づくりが日本の当たり前になることを願いたい。

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