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2020年省エネ基準越え!暖房費を88%減らす究極の省エネ住宅

寒さがこたえる冬。 
家に帰ると安らぐ。 
ほんのり暖かいマイホーム。 
スリッパも靴下も履かずに素足で家中を歩き回れる。 
ゆっくり、ゆっくりと。 

暖房の効いていない廊下やトイレでも急ぐ必要がない。 
そもそも家に帰ってあわててストーブを点火しなくて良い。 
こたつに潜る必要もない。 

家中が暖かいのだから。 
どこにいても快適な家。 
そんな家が実現出来る。 

今の暖房費の半分以下で。 

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これらは決して夢物語ではない。 
十分に実現可能な現実であり、このような家に住んでいる人は多い。

それはなぜなのか?
 
断熱性能をしっかりと理解し、適切に施工できる建築業者であれば難しいことではない。
また見識のある住み手は、しっかりと施工できる建築業者を選択している。
結果として冬場の暖房費を東京で4万円近く減らすことができるのだ。

この記事の中程で4万円削減の試算結果も公表している。
それではこのからくりを見ていこう。

※この記事は2018年2月に書いた記事に加筆・修正を繰り返し、より読者様のためになるよう改善したものです。




次世代省エネ基準

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平成11年に国が定めた新基準。 
ハウスメーカーだけでなく、多くの建築業者ではこの基準ギリギリで建築しているところも少なくない。 

ハウスメーカー20社、断熱性能・機密性能ランキング

ただこの基準、実施してみると驚き。
本州では従来より1.5~2倍もの暖房費がかかるものであった。 

北海道に関しては基準値が高く問題ない。 
しかし本州は基準値が極めて低く設定されている。 

もともと北海道は全館暖房(家全体を暖めること)が当たり前であったが、本州はストーブ・こたつのように部分暖房(一部又は一部屋を暖めること)が主であった。 

次世代省エネ基準施行後、今までより少ない暖房費で過ごせたは苦しくも北海道だけ。

2020年には省エネ基準改正にてより厳しい基準となることが、2015年閣議決定されていた。
しかし昨年末、先送りが決定。

 2018年12月3日の有識者会議で小規模住宅・小規模建築物について、適合義務化の対象から外すことが妥当とされた。
そのかわりに、設計時に建築士が省エネルギー基準への適合可否を説明することの義務付けが提案された。

 【300㎡未満の小規模建築物が適合義務の対象見送りになった主な理由】
 ・小規模建築は適合率が低く、義務化により市場が混乱する恐れがあると懸念
 ・基準を満たすために必要な追加投資を光熱費の削減によって回収できる期間が14~35年と長期にわたる点を問題視

2020年省エネ基準適合義務化は「見送り」 | AGC硝子建材株式会社


暖房費を飛躍的に抑える3つの設備、断熱材・窓とサッシ・換気システム。
まずはこれらの役割を理解することが大切。

断熱材

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さまざまな断熱材が溢れる昨今。 
正直どの断熱材を使用しても性能にたいした差はない。 
グラスウールは職人の腕により性能に差が出るが安い。 
吹き付け断熱は気密(隙間が少ない)がとれるが木が呼吸できない。 
メリット・デメリットがあるため、あとは自分の好みに合わせて選ぶだけだ。 

ただこの断熱材、厚さに比例して性能は上がる。
どれだけ厚くできるかがポイントだ。 
しかし断熱材を厚くすればもちろん壁も厚くなる。 
断熱材を厚くするには家の柱を太くしたり、柱の数を増やしたり、壁の強度を上げる必要がある。
単純に断熱材を増やせば良い訳でなく、その他の部分にも投資が必要なのだ。 

窓とサッシ

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昔はシングルガラスが主流だったが、今はペアガラスが主流になり、高性能を謳うハウスメーカーはトリプルガラスを採用している。 
ペアガラス・トリプルガラスの場合、ガラスとガラスの間に熱を通しにくいアルゴンガスを封入することで性能を上げている。 
またガラス間の隙間を広げれば広げるほど断熱性能が上がる。 
ガラス表面に金属膜を加工したLow-Eガラスも断熱性能を上げる上では必須だ。 

サッシについては 
アルミ<アルミ.樹脂複合<オール樹脂<木製 
の順に性能が上がっていく。  

換気システム

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現在の住宅は第1種換気、第3種換気が主流だ。 
第3種換気とは、トイレ・キッチン・脱衣場などの換気扇から室内の空気を排出し、各部屋にある吸気口から外気を取り込む。 

第1種換気とは、機械で吸気と排気を制御するシステム。 
また熱交換システムを採用しているものがほとんど。 

この熱交換システムとは… 
熱交換率 80% 
外気温  0℃ 
室内温度 20℃ 

このような状況下であれば、外の0℃の外気を室内に取り込まず、熱交換の力で16℃の空気を室内に取り込む。 

2時間毎に家中の空気を全て換気する事が法律で義務付けられた。 
第3種換気だと、室内を暖めても暖めても外気がそのままの温度で入ってくるため、なかなか暖まらない。 
しかし第1種換気だと熱交換をし、外気を室内へ取り込むため暖房費が安くなる。 

暖房費88%削減

さあ、ここからが本題だ。 
いくら良い設備を入れたところで、どれだけ暖房費を削減できるかイメージできなければ不安だろう。 

今回は東京で120㎡の家に住んだと仮定し、次世代省エネ基準の家を少しずつ改良すると、どれ程暖房費が削減できるか見ていこう。 
また今回は電力だと地域差、電力会社との契約内容の違いによりばらつきがあるため、灯油換算で表記していく。 
現在の灯油価格はだいたい1L/90円なので、この金額を当てはめ計算していく。 

※見にくくて申し訳ありません!
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「mm(ミリ)」が文字化けしています。
どうかご了承下さい(T-T)

節減試算

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   ↓ ↓ ☆133L(11,970円)節減☆  ↓ ↓

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   ↓ ↓  ☆108L(9,720円)節減☆  ↓ ↓

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   ↓ ↓  ☆35L(3,150円)節減☆   ↓ ↓

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   ↓ ↓  ☆57L(5,130円)節減☆   ↓ ↓

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   ↓ ↓  ☆14L(1,260円)節減☆   ↓ ↓

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   ↓ ↓  ☆20L(1,800円)節減☆   ↓ ↓

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   ↓ ↓  ☆65L(5,850円)節減☆   ↓ ↓

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※全ての家でこの数値が出るとは限らない。 
窓の大きさや数・日当たり・気候により数値は大きく変化する。 
また断熱性能を上げることにより、暖房を使う日数を減らすこともできる。 

結果

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この結果には驚きだ。 
次世代省エネ基準ギリギリで建てられた家は年間で44,280円分の灯油を使うのに対し、性能を上げた家は年間で5,400円分の灯油しか使用しない。 

灯油にして432L、金額にして38,880円の節減。
88%の暖房費削減ができるのだ 。

高性能な家のメリット・デメリット

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この家のメリットは何と言っても少ない暖房で家がすぐに暖まり、保温力の高さで一度暖まった家はなかなか冷めないという点だ。 

壁を厚くし断熱材をたくさん詰め込めば性能は上がる。 
しかしこれにはお金がかかる。 
その点、窓の性能を上げるのは壁厚よりお金がかからない。 
全てを取り入れることができれば、それに越したことはない。 

ただ限られた資金の中でこだわりを出すのであれば、キッチンや家の大きさだけに投資するのでなく、このような家の性能であり、快適さに投資をすることもアリだと思う。 

キッチンなどは消耗品であり、いつかしか修理や交換が来る。 
その点、窓や断熱材は一生ものだ。 
また暖房費という面から見ても毎年数万円が浮く計算になる。 

浮いたお金で新たな家具や設備を購入するもよし、毎月の家計費を抑えてゆとりある生活をするのもよし。 
自分達にあった家づくりをしてほしい。 
そのなかで断熱性能を上げるという考え方、光熱費を抑えるという考え方が頭の片隅に残ってくれることを願いこの記事を書いた。 

また断熱性能を向上させれば、夏場の冷房費も抑えられる。 
しかしこの家のメリットでありデメリットとして『少ない熱で家中が暖かくなる』という側面がある。 

夏の暑い日差しで室内は簡単に暑くなる。
怖いことに夏場、窓から室内に入る熱の量はコタツ4個分。

窓から入る熱はコタツ4個分
 
この熱を遮るのに必要なのは軒であり庇(ひさし)だ。 
また外付けブラインドや簾(すだれ)、グリーンカーテン(へちまなど)も効果的だ。 

軒・庇で太陽の熱と10分の1にする家づくり

このように家の中に日差しを入れなければ少ない冷房費で快適な家になる。 
更には通風や熱の移動を考えた家づくりにより、冷房を使う日数を減らすことができる。 


おわりに

快適な家を知らない人は 
『冬は寒さを我慢する』 
快適な家を知っている人は
『寒さを我慢する必要がない』  

我慢せずに今までより少ない光熱費で過ごせる家。 
そんな家が日本全土に広間ってほしい。

紹介

こちらの記事は新住協という、家の性能を向上させる研究を日々行う団体の代表、鎌田紀彦さんがまとめた本を参考に執筆した。

【家づくりに役立つ本2019年版】売れ筋5選+オススメ5選

断熱材を厚くする、窓や換気システムを高性能な物に変えて性能を良くするだけでない。
家の構造体、エアコンの選び方、夏の日射遮蔽や冬場の日射取得。
様々な面からアプローチし、総合的に家の性能を上げ、結果として光熱費を下げ省エネな住宅をつくりだす。

新住協に加盟している工務店は日本全国にある。
(個人・工務店を含め700以上も加盟)
ただネットで検索してもなかなか見つからないのがネックなところ。
書籍内でも加盟店を紹介しているので、是非とも参考にしていただきたい。

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