メガソフト社が提供する『3Dマイホームデザイナー12』にて我が家の現時点の間取り図を入力。
同ソフトは有能で日当たりまでシミュレーションしてくれる。
『春・秋』『夏』『冬』の3パターンで日当たりを確認できる。
夏は家の中に入る日射をカットし冬は日射を取り込めるか確かめる事ができる、プロ顔負けの間取りソフトだ。
夏の日射は室内を暖める天敵。
なるべく室内へ日射を入れない家づくりをしていきたい。
夏の日射に関する記事はコチラをどうぞ↓
【節電・窓】窓から入る熱はコタツ4個分!?
反対に冬は日射を取り込めるだけ取り込み室内を暖めたい。
今回は1階のLDK(リビング・ダイニング・キッチン)と和室への日当たりを確認していく。
- 我が家の土地
- 南東vs南西
- 間取りソフトでシミュレーション
- 春・秋
- 『春・秋』方位比較
- 『春・秋』まとめ
- 夏
- 『夏』方位比較
- 『夏』まとめ
- 冬
- 南西向き
- 『冬』方位比較
- 『冬』まとめ
- 注意点
- おわりに
我が家の土地
縦:14m
横:19m
形:長方形
坪数:80坪
土地に対して素直に家を建てるとこんなイメージ。
家の正面が南東を向く。
家の中では和室が真南となる。
南東vs南西
我が家を90°回転させれは南西に家の正面を持ってくることもできる。
ただ日当たりとしてはどちらが良いのか…
両方位の特徴を簡単にまとめてみた。
南東が正面の家
・朝日が入りやすい
・西日が入りにくい
→午後より午前の日当たりが良い
・午前中に洗濯物が乾きやすい
間取りソフトでシミュレーション
両方位の特徴が分かった。
しかし、どのくらい変わるものなのかイメージが湧かない。
そこで登場するのが3Dマイホームデザイナー12。
南東向きと南西向きで日射シミュレーション。
その実験結果がコチラ。
南東向きシミュレーション
春・秋
家の内外で温度差が少ない春と秋。
夏と冬ほど日射にこだわる必要の無い季節。
まずは見方の練習で南東・南西を見てみよう。
南東向き
【5:00】和室へ朝日が入り始める
【6:00】6~10時が日射のピーク
【7:00】リビングへ日差しが入り始める
【8:00】
【9:00】
【10:00】
【11:00】
【12:00】
【13:00】リビングへの日射が無くなる
【14:00】西日の時間帯
【15:00】
【16:00】日が入らなくなる
南西向き
【8:00】日射なし
【9:00】玄関に朝日が入る
【10:00】
【11:00】
【12:00】リビングに日が入り始める
【13:00】13~16時にかけて日射量が多くなる
【14:00】
【15:00】
【16:00】
【17:00】日が入らなくなるなり始める
【18:00】日が入らなくなる
『春・秋』方位比較
※リビング・和室にて比較を行う
日射開始
南東向き→5:00
南西向き→12:00
日射終了
南東向き→16:00
南東向き→18:00
日射ピーク
南東向き→6:00~11:00(5時間)
南東向き→13:00~16:00(3時間)
日射時間
南東向き→11時間(5:00~16:00)
南東向き→6時間(12:00~18:00)
『春・秋』まとめ
日射はどちらかといえば欲しい季節。
夏直前の春・夏直後の秋以外は日射があった方が室内が温かく気持ちいい。
比較してみると、南東向きの方が圧倒的に日射が望める。
日射時間に関してはほぼ倍だ。
多くの家庭は朝と夜、家に居る時間が長い。
であれば、朝日を浴びて気持ちを整える意味でも、南東向きの方が直接太陽の日が入り良い1日をスタートできる。
夏
他の季節と異なり、夏は日射を家の中に入れたくない。
日が入れば当然、室温は上昇してしまう。
春・秋の結果から予想すれば、南西向きの方が室内へ入り込む日射時間は少なくなるだろう。
ただこれはあくまで予想。
実際のシミュレーションを見てみよう。
南東向き
【5:00】和室へ朝日が入り始める
【6:00】6:00~9:00日射ピーク
【7:00】
【8:00】
【9:00】
【10:00】
【11:00】
【12:00】
【13:00】和室にうっすら西日が入り始める
【14:00】
【15:00】
【16:00】日射終了
南西向き
【7:00】日射なし
【8:00】玄関へ日が入り始める
【9:00】
【10:00】
【11:00】
【12:00】
【13:00】
【14:00】リビングに西日が入り始める
【15:00】和室にも西日が入り始める
【16:00】
【17:00】陰り始める
【18:00】ほぼ入らない
【19:00】日射終了
『夏』方位比較
西日時間
南東向き→3時間(13:00~16:00)
南東向き→5時間(14:00~19:00)
リビング日射時間
南東向き→3時間(6:00~9:00)
南西向き→4時間(14:00~18:00)
『夏』まとめ
リビングに日射が入る時間帯が大きく変わった。
南東向きは朝、南西向きは夕と両極端。
西日時間は1時間の差でも、日射量では南東の方が遥かに少ない。
窓の大きさ・方位から日射量に大きく差が出た。
そもそも夏の太陽は高度が高いため、家の上から日が降り注ぐ。
我が家の外観を見ていただければ分かるが、2階バルコニーを出すことにより日射が入りにくい形になっている。
もしバルコニーを出さない形だと日射の入り方は変わってくるだろう。
バルコニー無しのイメージ↓
朝日・西日に関しては横から入ることから、軒(のき)・庇(ひさし)・バルコニーの出を掻い潜り家の中へ日が入り込む。
そのため南西向きは室内への日射量が多いのだ。
予想では南東向きの方が不利かと思われた夏だが、意外にも南東向きの方が日射を遮るという意味でも有効と判明。
冬
今度は日射を多く取り入れ室内を暖めたい。
冬の日射取得は暖房費(電気代)を下げる大きなポイントだ。
夏の冷房費よりも冬の暖房費の方が電気を多く使用することから電気代が高い。
夏を主とした家よりも、冬を主とした家づくりこそが重要なのだ。
春・夏・秋の3シーズンでは南東向きに軍配が上がったが、冬に関してはどうだろう。
それではシミュレーションを見て欲しい。
南東向き
【6:00】日射開始
【7:00】
【8:00】8:00~12:00が日射ピーク
【9:00】
【10:00】
【11:00】
【12:00】
【13:00】
【14:00】
【15:00】日射終了
南西向き
【7:00】日射なし
【8:00】
【9:00】
【10:00】うっすら日射開始
【11:00】11~15時日射ピーク
【12:00】
【13:00】
【14:00】
【15:00】
【16:00】陰り始める
【17:00】
【18:00】日射終了
『冬』方位比較
日射開始
南東向き→6:00
南西向き→10:00
日射終了
南東向き→15:00
南東向き→18:00
日射ピーク
南東向き→8:00~12:00(4時間)
南東向き→11:00~15:00(4時間)
日射時間
南東向き→9時間(6:00~15:00)
南東向き→8時間(10:00~18:00)
『冬』まとめ
喉から手が出るほど欲しい日射。
日射時間で見ると1時間の差で両方位とも変わらない。
また日射ピークも4時間と同じ。
日射開始時間を見てみると、南西向きは10:00~家の中に日射が入ることが分かる。
10:00では子供達は幼稚園・学校の時間だろうし、仕事をしている人であれば家を出ている時間だ。
ならば南東向きの6:00に日射が入り室温を上げ、日の光を浴びたいところ。
7時前後に起きて1日の支度をする家庭が多いなか、まず起きたら暖房を入れて家の中を快適な室温にする。
6時に日射が入り込めばその分暖房エネルギーを助け、電気代も抑えることができる。
10時ではある程度、暖房で家中が暖まっている。
暖房で一番エネルギーを使うのは、寒い部屋を暖めるとき。
暖まった室温を保つのにはあまりエネルギーを使わない。
であれば朝早くから日射を取り入れた方が快適で省エネに繋がる。
注意点
今回は我が家の建築予定地である、栃木県でシミュレーション。
都道府県毎に日射量が異なるので注意してほしい。
また我が家の予定間取り図にてシミュレーションを行った事にも注意が必要。
我が家は軒・庇・バルコニーの出にて、日射取得と日射を遮る工夫をしている。
軒・庇などを設けない場合は夏の日射取得量が増えるだろう。
反対に軒・庇の出が大きいと冬の日射取得ができなくなる。
バランスが大切だ。
また隣接する家との距離や林、土地の傾斜により日射取得が困難になる場合がある。
今回のシミュレーションでは、周りに日射を遮る物が何もないと仮定している。
おわりに
『南東向きvs南西向き』を比較して分かった。
『南東向き』の方が1年を通して快適に過ごすことが出きる。
また南東向きの方が我が家での生活スタイルに合っているとも感じた。
我が家では夜、洗濯機を回し朝一で干す。
であれば南東に干す方が早い時間に乾く。
ただ一つだけ問題が…
我が家で一番寒い場所(日が当たらない場所)はどこだろうか?
右上にあるちょこんとした個室…
ここは妻のこだわり『家事室(ユーティリティ)』である。
また家事室に隣接するキッチンも我が家では寒いエリアだろう。
おそらく家の断熱性能を上げることで寒くはならないだろう。
ただ欲を言えば真北にお風呂をもってきたかった。
全てが完璧な間取り図など無いと信じて割りきるしか無いのだろうか。
ただそれを差し置いても、我が家では南東向きに決定。
あとは窓の大きさ・配置を微調整し、より良い日射取得・遮蔽(しゃへい)を行っていく。
また2階にある寝室もシミュレーションが必要だろう。
それにしても家の向きを90°変えただけで、日射がここまで変わるとは正直想像もしていなかった。
家づくりは奥が深い。