心も体も暖かい家づくり

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常識にとらわれず居心地の良い家を建てる3つのポイント

心落ち着く居心地の良い家。
誰しもがマイホーム購入の際に抱く思い。
だがしかし『居心地の良い家』を明確にイメージし、家づくりをスタートさせる人は少ない。

家づくりを考え始めてから、何社もハウスメーカーや工務店を見て回り、雑誌・ネット・書籍を読み、夫婦で話し合いながらイメージを膨らませ理想の家を思い描く。

広い家・明るい家・頑丈な家・省エネな家…。
求めるものは十人十色。
人それぞれ違うのだからこそ、常識にとらわれてはいけない。

今回は家づくりを始めたばかりでは気付きにくい3つのポイント

照明・窓・天井

これらを打ち合わせの段階からしっかりと組み込んだ家づくりをすることで、より居心地の良い家が建つ。
一度きりの家づくり。
引き渡しを受けてから後悔することの無いよう紹介していく。




本当の心地良さ

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心地よさといってもいろいろある。
・自分の家という心地良さ
・大好きな家族と一緒に入れる心地良さ
・長く住み愛着の湧く心地良さ
・好きなインテリアや家具に包まれる心地良さ
こちらも十人十色。
だが今回紹介する心地良さは少し違う。

『なんかいいな』

言葉では言い表せないが、なんか心地良い。
例えるならば…
旅先の旅館で部屋に着き、窓際の椅子に腰を下ろし、体を椅子に預け、外の景色を眺めるような心地良さ。

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どこか曖昧な感覚。
そんなはっきりは分からないが、なぜか感じる心地良さを照明・窓・天井の3点で紹介。

明りの重心を低くする

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明るい日中帯にイルミネーションを見ても感動はない。
日が落ち、暗い中で見るからこそ明りの温もりを感じ、感動を覚えるのだ。

家の照明にも近いものがある。
暗い場所があるから、明りに優しさと安堵感を覚える。
影があるから光が心地良いのだ。

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人の居ない場所や天井は、必ずしもしっかり明るくする必要はない。
むしろ影ができるように照明を配置するのだ。
したがって天井へ直に照明を取り付けたり、天井のド真ん中に照明を配置しないように心がけたい。

天井一面に配置されたダウンライトやシーリングライトは、部屋全体をまんべんなく明るくするのには向いている。
しかし、温もりのある優しい空間を作るのには不向き。
明りは極力、人に近いところに灯したい。
そう、天井に照明を取り付けるのではなく、明りを天井から離すのだ。

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明りの重心を下げることにより人の居る空間(床付近)には明かりが灯され、人の居ない空間(天井付近)には影ができる。
この光と影の空間はなんとも言えない心地良さ。
またスタンドライトやブランケットの活用で、より趣のある空間となるだろう。

窓を減らして壁をつくる

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何故か心地よさを感じられない家には窓が多く、部屋が明るすぎる傾向にある。
雑誌やネット上に写るお洒落な部屋や建て売りやマンションといった販売目的の家は明るく、いわゆる『映える(はえる)』よう撮影されている。

このような情報が身の回りに溢れ、良しとされる時代。
『明るい空間=良い空間』と刷り込まれていても不思議ではない。

だがしかし、良い建築を訪れると必ずしも空間全体が明るいわけではない。
光と影、明るさと暗さの塩梅が大切だと気づく。
明るさと暗さは、どちらが欠けても魅力ある空間は成り立たない。

窓を設置できる壁だからと無闇に取り付けてはいけない。
本当に必要な窓のみを残し、まとまった壁は残す。
壁を残すことが、落ち着きのある居場所をつくりだすのだ。

低い天井は気持ちいい

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ハウスメーカーのCMの影響か、『天井の高い家=良い家』といった価値観が深く根付く現代。
確かに天井が高い空間は開放感があり気持ちが良い。
しかし、それ以上に天井が低い家も気持ちが良い。

意外かと思われるかもしれないが、天井を低くすることで部屋が広く感じられる。
これは視線が上方向に逃げず、まっすぐ前を、奥に視線がいきやすいからだ。
天井を低くすることで、他にも様々なメリットが生まれる。

  • 空間に落ち着きが増す
  • 部屋の容積が減ることで冷暖房エネルギーが減り省エネ
  • 階段の傾斜を緩やかにしたり、段数を減らせる
  • 家が低くなることで隣家への圧迫感を減らせる
  • 外観プロポーションが良くなる
  • 建築コストを抑えられる
  • 耐震性が上がる

このように、天井を低くすることは良いことずくめなのだ。

知らぬは損

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暗い部屋で読書や勉強をしていると
「目が悪くなるよ!」
幼い頃、誰しも一度は聞いたことがあり、疑いもせず今に至る人も少なくない。

だが暗さで目が悪くなることは医学的に証明されていない。
長時間にわたり近くで物を見続けることこそ、目が悪くなる原因だと言われている。
イメージばかりが先行した結果、誤った情報が浸透してしまったのだ。

明るく光に満ちた部屋も、天井が高く開放的な部屋も心地良い。
しかしそれ以上に、影があることで光に温もりを感じられる部屋の方が遥かに心地良い。

いろんなことを知り、可能性を広げることが大切。
ハウスメーカーや工務店だけでなく、様々な建築家の話を聞いたり、オープンハウス(完成見学会)や住居者訪問を繰り返す事で、自分達にとって一番合う家を見つけ出すことができる。

特に私は、雑誌以外の本をオススメしたい。
雑誌やネットは『トレンド』や『新しいもの』が魅力的に感じる。
でも本当に大切なことは、今も昔も大きくは変わらない。
やはり有名建築家の本や長く愛される家づくりの本は、家の本質を見抜いている。

【家づくりに役立つ本2019年】売れ筋5選+オススメ5選

提案力のある建築業者選び

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居心地の良い空間をつくるのに真っ先に思い浮かぶのは、間取り・家具・インテリアあたり。
次いで性能や工法。
もちろんどれも大切。
何一つ欠けてはならない。

今回紹介した照明・窓・天井はいずれも設計段階で組み込む必要がある。
ただこの3点を上記のように提案してくれるハウスメーカーや工務店はまずないだろう。

その要因として、社員教育の充実度や標準仕様から大きく外れることが挙げられる。
また、世間一般的な良い家とのイメージから剥離していることから、提案をしても建て主が断る事が目に見えているからだ。

今回の3点を伝えることは非常に難しい。
何度も良い建築を見て、設計し、体感し、言葉で伝えなければならない。
営業マンを置く建築業者では敷居が高すぎるのだ。

そこでオススメなのが建築士。
居心地の良い空間について、踏み込んだ提案をしてくれる。
知識も経験値も豊富でその家族に最適な家を提案する建築士だけでなく、自分のエゴを押し通す建築士もいるため注意は必要だ。


おわりに

言葉では言い表しにくい、心落ち着く居心地の良い家。
それは決してオリジナリティー溢れる唯一無二の空間である必要ではない。
常に身近にある光と影から幸せを感じることだってある。

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当たり前のように側にあるからこそ気付かないのかもしれない。
しかし、光と影の魅力に気付くと日々の生活が、今まで以上に心が豊かになる。
そう、歩いている途中、木漏れ日を見つけただけでも。

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