久々の野球記事です。
最近は10年ぶりに地元に戻ってきたこともあり、学生時代の恩師の元に挨拶へ行ってきました。
恩師とは小学生時代と高校時代の野球の監督です。
監督たちと大人になって話すと面白いですね。
学生時代は絶対服従の相手であり、まさに鬼のような人でした。
(それでもこの2人の監督は好きでしたが)
大人になり監督と部員としてでなく、人と人として話をすると学生時代の監督像とは全く異なり新鮮でした。
そんな2人からありがたい話を聞くことができたので紹介させてください。
「部員がメルヘン」
私は県立高校の野球部でした。
監督は幸運にも出戻りで母校の監督をしているため、私も母校のグランドに足を運び思出話に花が咲きます。
自分が練習したグランドで監督と話をするだなんてタイムスリップしたみたい。
今はそのグランドで後輩たちが練習をしています。
練習風景を見ながら話をしていると、部員への愚痴が止まりません(笑)
監督いわく、今の子達は頭の中がメルヘンだそうです。
それを痛感したのは大会で作新学院と当たった時。
作新と言えば日本一生徒数の多い高校で、野球では毎年甲子園に出場。
数年前には全国制覇もする超強者高校です。
作新と母校が対戦したとき、後輩達はどうしたか。
目を輝かせて作新の試合前のアップに見とれてたそうです。
自分達のアップも忘れて。
試合は5回コールド負け。
悔しさは全く無く、高校最後の思い出に作新と試合をできた喜びに興奮が覚めなかったそう。
涙を流すわけでも、悔しがることもなく、笑顔の生徒を見て監督は『俺は3年間何を教えられたんだろう』って考えさせられたそうです。
これだけじゃなく、高校野球では体罰とは言いませんが、部員を奮い立たせるために監督が強い言葉で怒鳴り散らします。
例えばノック(守備練習)では「もう一球お願いします!」と根性を出してほしく監督は厳しい言葉を投げますが、今の部員達は違うみたいです。
監督が怒鳴ると部員達はフリーズ。
中には涙を流す部員まで…。
時代の変化って怖いですね。
監督は部員のメンタルが数年前から落ち始め、今では滅多に怒らなくなったと言います。
あの鬼のような監督が…。
「怒鳴ることが仕事のような野球部の監督の俺ですら怒ることができない時代になっちまったよ」
私たちの時代は殴られはしませんでしたが、何回頭を叩かれたか。
何回正座をさせられたか。
グランド以外の説教(授業中の居眠りやスマホいじり)のために職員室に呼ばれたか。
何があっても怒るのは担任じゃなく監督だったのに。
丸くなった監督を見て寂しさを覚え、時代の変化を感じた瞬間でした。
「親父は金を稼ぐだけで良い」
続いては小学生時代の監督です。
実はこの監督の元へは時間をつくって会いに行った訳ではなく、娘が通う学校の先生としてたまたま居て、送っていくと会えて時々話すんです。
お話が大好きな先生で、はじめの頃は思出話がメインでしたが、最近では育児論的なのも話してくれます。
学校の先生が実際はどんな思いで生徒と向き合っているのか聞けるだなんて、ホント貴重な話ですよね。
監督の娘さんは地元では入るのが難しいと言われている進学校に通っていました。
幼稚園児の頃から英語を勉強していて、進学校の中でも英語はいつも1番。
大学は早稲田の英語関係の学部へ進学。
でも早稲田ではA~Cクラスのうち一番下のCクラス。
更に上には上が居て、帰国子女まで平気でいるんですって。
娘さんは高校時代に英語に関して天狗になっていた訳ではないですが、自分のいた世界がどれだけ小さいものだったのかを痛感したそうです。
そこで一大決心。
1年生のうちに早稲田大学を中退し、アメリカの短大に入り直したんですって。
親に言われたわけでもなく、自分の意思で。
すごい決断力と行動力ですよね。
そして今は短大→4年大学へ編入すべく頑張っているそう。
コロナの関係で大学側から通告があったそうです。
「今後日本に帰ると当分コロナでアメリカに再入国できなくなる。大学を卒業するために当分日本に帰国しないか、今にでも学校を自主退学し日本に帰国するか選ぶんだ」
当分は家族に会えなくても、娘さんは大学卒業の道を選びました。
余談ですが、アメリカでは最初から4年大学に行くよりも、短大→4年大学へ編入する方が学費が安いんですってね。
娘さんはそれも自分で調べ、家族に負担をかけないよう短大のルートを選んだそうです。
監督のもとに娘さんから最近電話があったんですって。
「お父さん、アメリカで車の免許取っちゃったw」
話を聞くと試験内容も何もかも全て英語。
天才すぎですよねwww
監督からのありがたいお言葉です。
「いいか、子供ってのは勝手に成長していくんだよ。親父は黙って金だけ稼いでくれば良いんだ」
子供の事で悩まない親はいません。
私だってそう。
何度か監督に相談したこともあります。
でもその度に笑って「気にするな!」で終わり。
最近になり娘さんの話を聞いて納得させられました。
私の悩みなんてどれだけ小さかったか(笑)
監督は今にでも娘はんに会いたいんだろうな~。
だってLINEの待受が娘さんがエンゼルス(大谷翔平がいるメジャーのチーム)のユニフォーム着ている写真なんですもん。
おわりに
恩師である監督2人と話をすると懐かしさを思いだし、時代の変化を感じ、勇気を貰うことができました。
今後は社会人としてもメルヘンな後輩と、バイタリティー溢れる後輩が増えるんだろうな。
って、振れ幅広すぎでしょ(笑)