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現代住宅の9割は欠陥住宅~住宅業者の裏側~

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『我が家は欠陥住宅なはずがない』
誰しもがそう思い、いや、願い生活を送る。
だが非情にも約9割の家が欠陥住宅と言われている。
昔建てられた家ではない。
つい最近建てられた家の9割が欠陥住宅と語る専門家もいるのだから驚きだ。


100軒中89軒の家が危険

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ユニバーサルデザイン研究所が分譲住宅100軒(東京50軒、北海道50軒)を対象に検査を実施。
現場調査データによると100軒中、明らかに手抜きや欠陥が認められた家は62軒もあった。

また危険度の点では、限りなく欠陥に近く耐震性が低いとされる家は89軒にのぼる。
実に9割近い家が危険な家だと分かったのだ。

また欠陥住宅の権威、岩山健一氏の著書中にて『東京都内の建て売りで木造3階建ての住宅は、おそらく8割が欠陥住宅』と断言している。

なぜ欠陥住宅が生まれるのか?

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いったいなぜ欠陥住宅が生まれるのだろう?
原因を知ることで、マイホームが欠陥住宅となる可能性を下げることができる。
ポイントは3つ。

  1. 下請け構造
  2. チェック体制の甘さ
  3. 問題解決の難しさ

それでは1つずつ見ていこう。

①下請け構造

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家を建てるには様々な職人が必要。
大工だけでなく、防水・内装・電気・屋根・基礎…。
その他たくさんの職人の手により家が建つ。

ハウスメーカーや工務店は自前の大工は雇っていても、その他の職人は下請けとして仕事を流すことがほとんど。
設計事務所やハウスメーカーでは大工ですら下請けが当たり前となっている。

下請け業者は『1棟○○万円』といった具合に安い賃金で出来高払いなため、早く終わらせようとする。
1棟あたりの貰える金額が同じであれば、早く終わらせ次の現場に取りかかりたい。
生活をするためには棟数をこなすしかなくなり、良い仕事をするための時間が無く手抜き工事となってしまう。

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特にローコスト住宅や建売など単価の安い現場にて多く見られる傾向だ。
だが大手ハウスメーカーだからと言って安心はできない。
ハウスメーカーは住宅展示場の維持管理に1棟あたり億のお金が必要と言われている。
営業費には惜しみ無くお金はかけるが、家を建てる材料費・人件費にはお金をかけたくない。
大工や職人の人件費もそう。
知人の職人、個人経営の内装屋から直接聞いた話だ。

「親(ハウスメーカー)が利益をもっていくせいで、俺らは安い賃金で数をこなすしかない。そしてスピードが遅いと仕事がもらえない。時間に追われて良い仕事ができないんだ。手抜きをしたいんじゃなく、しないと生活ができないんだよ…」

涙ながらに語った知人は驚くことに、誰しもが知る超有名ハウスメーカーの専属下請け内装屋。
誰もが認める誠実な知人にここまで言わせたのだ。
大手ハウスメーカーだから安心ということはない。

②チェック体制の甘さ

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家は設計士が書いた設計図をもとに建てられる。
だがしかし、設計図を細かく見ずに施工する大工や職人は少なくない。

「そんなばかな!?」
だが現実はそう。

ハウスメーカーや工務店の専属職人は、毎回同じ様な標準化された家を建てている。
そう、要領を知っているのだ。
プラモデルは説明書を読まずとも感覚で出来上がってしまうのと近いように。

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だが同じ家は2つとない。
しっかりと設計図を読み込み、施工することが求められる。
だが『下請け構造』で説明した通り、時間に追われる職人たちは設計図を読み込む時間さえ奪われる。
更に経験で家を建てる。

ある程度は経験でカバー出来てしまうだろう。
しかし細かな取り合いや急ぐ気持ちにより設計図通りの施工ができない事が欠陥住宅の大きな要因だ。
そこで大切なのが管理する人なのである。

例えば現場監督であれば職人がきちんと設計図通りに施工しているのか管理する。
しかし現状はそんなに甘くない。
現場監督は1度に10棟以上もの現場を管理することも少なくなく、すべての家を隅々までチェックできず結果として職人任せとなる。

もし不備を見つけ出したとしても現場監督と職人が同じ会社や専属職人だと、修復にかかる費用や時間の問題からうやむやにするケースも多い。
会社の利益や仕事量を確保するためにもだ。

現場を管理する人は、多少お金がかかったとしても外部の人を採用したい。
欠陥住宅が建って修復するより、欠陥住宅を建てさせないようお金をかけた方が明らかに安く済む。

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また住宅瑕疵(かし)保険には2回の外部検査が指定法人により行われる。
しかしこの2回の外部検査は基礎の配筋検査と上棟時の検査のみ。
以前は4回行われていたこの検査も2回に減り、断熱材や外壁、防水などの建築検査が無くなった。

断熱材・外壁・防水など重要部分の検査は基礎の配筋検査と上棟時の検査ではチェックできない。
住宅の劣化に大きく関わる水分の侵入を防止することは必要不可欠なのにも関わらず。
要するに2回の検査では手抜き工事を見破ることはできないのだ。

③問題解決の難しさ

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最後の問題がもし家の不具合が見つかり話し合いになっても決裂した場合、問題解決が極めて難しい点だ。
決裂すると選択肢は2つしかない。

1つ目が無情にも泣き寝入りとなるケース。
2つ目は施主が瑕疵(欠陥)を立証し裁判を起こすケース。

裁判を選んだ場合、建築士に頼んで過失を立証してもらい弁護士に依頼。
この時点で数百万円もの費用がかかる。
相手が資金力のあるハウスメーカーの場合、当然相手方にも弁護士が登場する。
もしこちらが裁判に勝ったとしても最高裁まで引っ張られ、住宅ローンを支払いながら裁判を続ける資金がなくなり、結果として泣き寝入りとなるケースがほとんど。

相手が地元密着型の小さな工務店や設計事務所で裁判にて勝ったとしても「支払う(修復する)資金がありません」と言われればそれまで。
そして修復をしないまま次の家を建て続ける工務店。

住宅建築に関する日本の法律は極めて甘いのが現状。
しかし規制をする法律はあっても、罰則を持たない法律がほとんど。
そう、抜け道が極めて多いのだ。

この様な抜け道を悪用する業者がいることも頭の片隅に残しておきたい。

欠陥住宅にさせない対応策

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欠陥住宅トラブルを発生させないために最も重要なことは、しっかりと施工されているかチェックすること。
自分で確認できれば良いが、知識の無い建築素人の施主がチェックするのは難しい。
お金を払ってでも第3者の専門家に頼むことがオススメだ。

また住宅トラブルに巻き込まれないためにも、ある程度の知識はあって損はない。
住宅トラブル解決をされているNPO法人ハウジングコンシェルジュ代表、佐々木孝氏が執筆された『誰も教えてくれないマイホーム建築の罠』はとても勉強になる。

悪質な見積書や契約書の見分け方、建築トラブルに巻き込まれない方法、良い建築業者の選び方など、実例を紹介しながら細かく説明されている。
手遅れで後悔し、家族を不幸にするこの無いよう是非とも読んでおきたい一冊。
1,500円で多額のトラブルを事前に回避できるのであれば読んで損のない本だろう。

おわりに

欠陥住宅ではないが、私も以前建築トラブルに遭った一人。

建築トラブル「家は建てませんが報酬金の81万円はお支払い下さい」

弁護士に相談に行くなど、精神的ストレスは計り知れない。
だからこそ強く言いたい。
あってからでは遅いのだ。
予防することが大切である。

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