小さな家には魅力がたくさん。
建築費用や冷暖房費が安くなる、家の佇まいが良くなる、不要なものを買わなくなる、居心地がグッと良くなるetc...
だがしかし、無闇やたらに小さな家を建てても窮屈で住み心地の悪い家となってしまう。
細かく間仕切り区切ってはならない。
大袈裟に言えば『家全体を1つの部屋』とするよう設計することで、家を広く、大きく使うことができる。
今回紹介する間取りのテーマは『繋がり』であり、家族との距離を縮めることに重点を置いた。
ポイントは3つ。
- 目線の繋がり
- 上下の繋がり
- 籠れる繋がり
夫婦+子供2人の4人暮らしの家。
『自分たち家族ならこの家でどんな暮らしをするのだろう?』
思いを巡らせながら読んでみてください。
間取り
1階
2階
坪数
1階:15坪
2階:12.5坪
合計:27.5坪
外観イメージ
目線の繋がり
家族団らんの場であるリビング、ダイニング、キッチン。
料理をしているとき、ご飯を食べるとき、ソファでくつろぐとき、カウンターで晩酌するとき…。
いつでも家族の目線は一緒。
小下がりキッチンに掘りごたつのようなカウンター、座面の低いソファにちゃぶ台。
小さな工夫の重なりがこの空間の心地よさへと繋がり、家族の溜まり場となるだろう。
上下の繋がり
小さな家で大きく暮らすには、上下階を程よく繋げることは効果的。
この家では吹き抜けに繋がる3畳の畳コーナーに主寝室のインナーウインドウと、上下階の繋がりが心地よくとられている。
畳コーナー
畳コーナーの壁を天井まで設けず、腰高とすることで空間が繋がり広さを感じる。
腰高の壁でなく柵にすれば上下階の一体感は更に増すのだが、おもちゃや本といった小物が転落する危険性が増す。
腰高の壁にすることで座ったり寝転がった際に1階から見えなくなる。
プライバシーが守られるのだ。
また子供の遊び場としても活躍するだろう。
同じようで別の空間。
必要なときにだけ繋がれる不思議な空間だ。
籠れる繋がり
キッチンからアクセスの良い籠れるパントリー。
リビングからのアクセスも良く、パントリーに限らずミニライブラリー・ワークスペース・スタディスペース・趣味部屋・家事室にもなる万能エリア。
家事の合間やちょっと集中したい時に籠れる空間だ。
扉を設けて個室とするのではなく、あくまでもリビングの一部。
家族の気配を感じながら籠れる、お一人様限定の特別な空間。
おわりに
間仕切りの少ないオープンな間取りは家族の距離を優しく、そして心地よく繋ぐ。
1つの大きな空間に各々がお気に入りの場所をきっと見出だすだろう。
この小さな家。
あなたはどこがお気に入りの場所になりそうですか?