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施主が使う「間取り図」建築士が使う「プラン」その言葉の違いは?

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私も最近は気を付けて使い分ける間取り図とプラン。
似たようで異なる2つの言葉。

家を建てるお客さん、つまり施主はよく「間取り図」という言葉を使用し、営業マン・設計士・建築士など建築業者はよく「プラン」という言葉を使用します。

この2つの言葉に込められた意味と思いを私の体験を踏まえ詳しく紹介していきます。



間取り図

施主側がよく使用する「間取り図」というは、建築業界的に「平面図」を指します。

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平面図

おそらく皆さんもこちらをイメージしていたのではないでしょうか?
もちろん間違いではありません。

ですが建築業者が施主へ間取り図を提案する際、意識的に間取り図という言葉は使用せず「プラン」という言葉を使用します。
ではこの、建築業者が指す「プラン」とはどのようなものなのでしょうか。

プラン

建築業者は平面図(間取り図)だけで家を提案しません。

  • 敷地に対して家をどう配置するのか?
  • 天井の高さ、床から窓までの高さなどはどうするのか?
  • 外構はどうするのか?
  • 家の外観はどのようになるのか?

多角的に家を設計し、施主へ提案します。
そしてその一部に平面図(間取り図)があるのです。

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配置図

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断面図

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外観イメージ図

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模型

これらは我が家が建築士さんより提案を受けたプランの一部です。
このように様々な図面・絵・模型にて視覚的にイメージしてもらうため、建築業者は試行錯誤しています。

最近のハウスメーカーは、パソコンを使って3Dでよりイメージしやすく提案されるところがほとんどですね。

プラン=空間

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平面図では見えないものに「空間」があります。
高さ・狭さ・広さの感覚は平面図では伝えることができません。

同じ広さのリビングでも、窓の位置・天井の高さ・家具の配置など、様々な要因から広さの感じ方は変わってきます。
この見えない部分、空間を伝えるため建築業者は試行錯誤。

同じ平面図であっても設計する人が変われば、その空間の感じ方であり、居心地がまるで違います。

標準のメリット・デメリット

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よくハウスメーカーや工務店で聞く「標準仕様」という言葉。
多くは設備や性能などのバリエーションに使われます。

「うちは床暖房が標準です」
「うちは無垢の床が標準です」

住宅展示場へ行ったことのある方なら一度は聞いたことのあるフレーズだと思います。
この標準には『標準使用の価格にはこれだけの商品が含まれています』といった意味が込められています。

ですが標準にはもうひとつの意味が込められています。

それが『天井の高さや窓の位置・数、その他もろもろ変えることができません』といった裏側です。

先ほど説明した通り、同じ平面図であっても天井の高さや窓の位置・大きさにより空間の感じ方はまるで違います。
窓の外に隣家の外壁があるのか、田園が広がるのかでは視線の抜けが大きく変わるように。

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標準化された家は経験が少なかったり、向上心の少ない設計士では居心地が思ったより良くないケースもあるでしょう。
一部のハウスメーカーや工務店では、標準化された規格を変えることができないため、空間の幅が狭くなってしまいがちです。

しかし標準化にもメリットはあります。
職人の力量に左右されにくく、マニュアルを守れば仕上がりにムラが出来にくいことです。

住み始めてからのクレームのほとんどは職人の力量不足による欠陥がほとんど。
全国区の建築業者であれば、腕の良い職人だけを集めることは困難です。
ましてや、今まで慣れ親しんだモジュールや工法から新しいものに変えれば、失敗をしない方が難しいくらい…。

標準化された家は誰が施工しても均一の品質を確保するために、有効な方法の1つと言えます。
ただ、空間の幅は大きく損なわれますが(T-T)

設計士の思い

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どうしても施主は平面図で家のイメージをしてしまいがち。
ただそこには「空間」や「居心地」が置き去りにされ、○畳といった「広さ」の物差ししか残されていません。

設計士の腕の見せ所は、いかに広く感じれる家を小さく設計できるかだと感じています。
施主の要望をそのまま反映させ、ただ広く大きい家を設計するのが設計士ではありません。

その家に住む家族の居心地であり幸せプランとして提案することこそが、設計士の仕事であり醍醐味です。

もし「空間」「小さな家」「標準化」、このどれかのワードが心に引っ掛かったのなら、私の大好きな建築家の一人、伊礼智さんが書かれた『伊礼智の「小さな家」70のレシピ』を読んでみてください。

家づくりの本ランキングで常に上位の本なので、近くの図書館にもきっとあるはず。
家の本質を教えてくれる、そんな本です。

ちなみに私の家は4人家族で30坪にも満たない小さな家。

希望予算+500万円で提案された28坪の間取り

まだ設計をお願いしている段階で、28坪よりも更に小さな家になります。
恐らく25坪台かな。

でも25坪台の家でお願いする決意が出来たのは、依頼した建築士さんが小さな家を広く使う工夫を随所に敷き詰めてくれたから。

2年前の私だったら到底考えられない広さです(笑)

でも「空間」の大切さであったり、「生活に必要な広さ」を繰り返し教えていただいたお陰で決心できました。
そうです、「間取り図」だけでなく「プラン」で提案してくれたからこその決断です。


パートナー

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どうしても家を考え始めて最初に気になるのは価格であり間取り。
ここまで読んでくださった方ならご理解頂けると思いますが、本当はその先にある「プラン」にこそ家の本質が隠されています。

建築業者としても、最初は施主が気になる価格や間取りを親身に説明し安心させることが必要です。
その後に「空間」であり、「プラン」の説明に入ります。

ただこの「プラン」を蔑ろにす建築業者も少なからず存在します。
そしてそれを見極めるのは誰でもなく施主である自分達です。

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見極めには施主側としても少なからず経験値と感性が必要。
初めて間取りを提案された施主は、今までにない感動を覚えるでしょう。
だって夢のマイホームが形になりそうなんですもん(^^)

ただここで駆け足にならないでください。
間取り図は平面図であって、そこに空間は存在しません。
しっかりと空間をイメージさせてくれ、提案してくるる建築業者を選びましょう。

私は以前、空間の提案をしてくれない建築業者で家を建てようとして、自分でパソコンのソフトを使用し家の中と外を3Dで起こし、自分なりにイメージしようと頑張りました。
結果としてトラブルになります。

家は建てませんが報酬金の81万円はお支払い下さい

皆さんには同じ失敗をしてもらいたくありません。
しっかりと「プラン」を提案してくれる建築業者を探しましょう。

そしてその為に、たくさんの建築業者を巡り、たくさんの提案をしてもらってください。
遠回りかもしれませんが、それが唯一あなたの家の心地よさと幸せを手にする方法です。

まずは資料請求でも住宅展示場でもいいです。
たくさん提案をしてもらいましょう。

まずは「間取り図」の提案からかもしれません。
次に「プラン」でしょう。
そしてなかなか「プラン」の提案をしてくれない建築業者であればきっぱりと断るべきだと、私は家づくり3年の経験から学びました。

まずは何かしらアクションを起こすことが、幸せな家を手にする第一歩です。


おわりに

私はブログを通じで家づくりについて発信しています。
伝えたいことがあっても、人目に止まらないともどかしいのがブロガーです。
ですので多くの人が検索やSNSから入って来て頂けるよう、タイトルによく「間取り」というワードを組み込みます。
それはやはり、家づくりに悩む多くの人が「間取り」を気にしているから。

ただ私の本心としてはタイトルに「間取り」でなく「プラン」と書きたいところ。
しかし「プラン」と書き込んでもなかなか読んでもらえない。

そんな葛藤からタイトルでは「間取り」を採用していますが、本文では空間の提案を指すときには「プラン」、平面図を指すときには「間取り」を使用するよう心掛けています。

皆さんも今後打ち合わせなどで、担当者の言葉に耳を傾けてください(^^)
きっと「間取り」と「プラン」を使い分けてますよ♪

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