夫婦+子供2人の4人家族。
子供たちが恥じない大人になる、家事が楽しくママが笑顔になる、そんな間取りを書いてみた。
6つのこだわり
1.うがい・手洗い動線
2.帰宅動線
3.周遊動線
4.ユーティリティ(家事室)
5.家族が自然と集まるリビング
6.ママへのプレゼント
これらのこだわりを詰め込んだのがこちら。
延床面積33.25坪の2階建て。
寝室を3部屋、和室を1部屋の4LDK、東玄関。
それでは6つのこだわりを細かく見ていこう。
1.うがい・手洗い動線
家に帰ったらまずうがい・手洗い。
子供たちにそのその習慣を身に付けさせるため、玄関ホールから洗面所へ直行できるよう配置。
ここでのポイントは『リビング・ダイニングを通らせない』ことである。
リビング・ダイニングを通るとイスに腰掛けたり手荷物を整理したりと、手を洗う動作の前に何かをしてしまう。
そうすると手洗いを忘れたり面倒になったりと、やらない可能性が出てくる。
リビング・ダイニングの扉を開ける前に洗面所へ直行するよう習慣付けたい。
欲を言えば洗面所へ行くまでにコートをかける場、手荷物が置けるテーブル・カゴがあるとなお良い。
また洗面所でなく手洗い専用の水道が玄関ホールにあれば完璧だが、これは予算・スペースとの兼ね合いで優先順位は低いだろう。
2.帰宅動線
帰宅動線では『親子関係』と『主婦目線』で見ていこう。
『親子関係』
思春期や反抗期、子供は親と顔を合わせたくないかもしれない。
ただ親心としてはいつまでも我が子と心を近づけたい。
そんなときに役立つのがリビング階段。
親の滞在時間が長いリビングに階段を設置することで、帰宅し2階の自分の部屋へ行くまでに親と顔を合わせる。
自然とあいさつ・会話ができるのだ。
子供が友人や恋人を連れて来たときも一目確認しやすい。
ここでのポイントは『LDK全てを通って階段に行くこと』である。
リビングに入りすぐ階段だと顔を合わせるのは一瞬。
あいさつ・会話をする機会が少ない。
キッチン・ダイニング・リビング全てを通ることが望ましい。
また子供のプライバシーを大切にしたい場合は、玄関ホールに階段かリビングに入りすぐ階段を設けると良いだろう。
『主婦目線』
来客時に買い物から帰ってきたママ。
両手には大量の買いだめ食品。
割引シールに冷凍食品がビニール袋から顔を出す。
主婦心理からするとお客さんにこのような姿は見られたくない。
リビング扉から入れば見られるのは必至。
こんなときに役立つのが第2のルート。
玄関ホール→洗面脱衣所→ユーティリティ(家事室)→キッチン
リビングやダイニングにいるお客さんの目を気にせずすむ。
他にもパパや子供に見られたくない夜食のお菓子やプレゼントなど、ユーティリティに隠すことができる。
ここでのポイントは『キッチンへのルートを複数個つくる』ことだ。
更にユーティリティを挟めば荷物の一時避難所としても活用可能。
周遊動線
玄関ホール⇔洗面脱衣所⇔ユーティリティ⇔キッチン⇔ダイニング⇔玄関ホール
これらは全て2通り以上のルートを持ち、用途により使い分けができる。
ここでのポイントは『行き止まりをつくらず周遊できる』ことだ。
スムーズに移動できることは家事への負担を減らす。
この間取りを書くにあたり、一番苦労した点だ。
ユーティリティ(家事室)
先程から所々でてきたユーティリティ。
キッチン裏と洗面脱衣所脇に配置。
ユーティリティはこの家の要といえる。
日本の家庭は洗濯機を洗面脱衣所へ置くことが多い。
ということは選択前の衣服や下着がカゴに入れてあるだろうし、生活感が出やすい。
うまく隠すことができれば良いが、間取りを考える時点で組み込まないと後付けは難しい。
この家はユーティリティに洗濯機を隠すよう計画した。
すると洗面脱衣所から生活感が消え急な来客にも安心。
更には空いたスペースに収納スペースを設け、タオル・パジャマ・下着などお風呂上がりにあると助かるものを収納できる。
洗面脱衣所を広げることでカバーできるが、生活感を消すことに関してはユーティリティに軍配が上がる。
ユーティリティにパントリー(食品棚)を設置すれば今まで以上に買いだめができるだろう。
室内干し用のパイプをたらし置き型の除湿器を置けば室内干しが可能で、梅雨・花粉シーズンも安心だ。
洗濯→干す→たたむ→下着類の収納
これらが極めて少ない移動の中で、かつ料理の合間にできるのだからママは大喜び。
ここにワークスペース(イス・テーブル・棚)など設置したら『ママの秘密基地』となり出てこなくなる可能性さえある(笑)
急な来客時に散らかったリビングの小物を隠せたり、室内干しをし外出できるなど、まさに使用方法は無限大。
これらがユーティリティがこの家の要と言われる由縁だ。
ここでのポイントは、ユーティリティを『キッチン・洗面脱衣所の近くに設置』することである。
比較的キッチンはママのテリトリーだ。
このテリトリーにユーティリティを隣接させることで家事が楽になり、ママの笑顔が増えること間違いなしだ。
室内干しをかんがえるのであれば、湿気を逃がすため窓は必須。
できれば通風を考え2箇所設置したい。
家族が自然と集まるリビング
次のこだわりはこのリビング。
まずリビング階段を設けた点がこだわりの1つだが、先程説明したので省略させていただく。
リビング南面に設けられたヌックは居心地抜群。
↑ヌック
座っても寝転んでも快適なヌックとソファがあれば誰一人床に座ることなく『ソファに誰が座るか戦争』も勃発しない。
家族全員がいずれかに座りTVが見れくつろげるのだ。
またキッチンからリビングを見ることができるため、ママも安心して料理ができる。
リビング脇に和室を設け子供たちが遊ぶスペースを確保。
和室をリビングから見ることができ更に安心。
ポイントは『LDKと和室の中心に置くこと』で、リビングに居れば全てを見渡せることだ。
子供が危ないときも注意できるし、部屋を広く見せる効果も併せ持つ。
プチこだわりとしてはヌックの垂れ壁で秘密基地感を出すこと、小上がり和室にしソファに座ったときと和室に座ったときの目線を合わせることも検討したい。
ただこれらはもちろん追加料金になることが多いため、優先順位としては低めだ。
ママへのプレゼント
今回は小さな子供がいる家庭向けに書いた間取りだ。
私にも4歳と1歳の子供がいる。
小さい子供がいると生活のほとんどが子供優先になる。
家づくりに関してもだ。
ただハウスメーカーで話を聞くとどうだろう。
「子供はいずれ巣立ち、家には夫婦だけが残ります。ご夫婦にとって最良の家をつくりませんか?」
これを聞き心が揺らいだ。
『確かにそうかもしれない…』
しかしママの心はピクリともしない。
私は性能や快適性を一番に考えてきたがママは違う。
子供や私、家族のことを一番に考えている。
特に子供への愛情は計り知れない。
家に一番いる(滞在時間が長い)のはママだ。
そんなママが笑顔になれる、子供との絆を深められる、愛情を注げる夢のような家をつくりたい。
そしてその夢のような家をママにプレゼントする。
それが私を突き動かす原動力であり活力だ。
おわりに
お恥ずかしい話、私はズボラな性格で結婚前から電気はつけっぱなし・扉は開けたまま・帰宅してもうがい手洗いをしない人間だった。
その点しっかり者のママは抜け目ない。
更に結婚後は懲りずに私に注意を続けてくれた。
結婚6年目、今では注意されることもほとんどなくなった。
5年経ちやっとだ。
子供たちには私のような恥ずかしい大人になってほしくない。
今のうちから良い習慣を身に付けてほしい。
そんな習慣を家づくりの段階から考え『うがい・手洗い動線』を組み込んだ。
間取り図にはその家庭のこだわりが見えてくる。
我が家では子供の成長でありママの笑顔だ。
子供たちが成長しマイホームを建てるとき
『実家と同じ間取りが良い』
なんめ思ってくれたら幸いだ。
子供たちが仲良く遊び、ママが笑顔で家事をし、それらを見て幸せを感じるパパ。そう、ヌックに転がって。
そんな妄想をしながらまた方眼紙と見つめ合う。
長かったでしょうが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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