1個の掃き出し窓から入る熱量はコタツ1個分(600W)の記事は衝撃的であった。
南面に4個の掃き出し窓がある一般的な家では2,400Wの熱量、実にコタツ4個分の熱が入り込むのだから家の中が暑くなるのも理解できる。
冬の日射は大きな味方となるが、夏の日射は天敵に変わる。
猛暑日はエアコンの設定温度を下げる、風量を上げるなどして生活。
エアコンを止めるとすぐさま室温は上昇。
ただこれは適切な夏対策を取らない場合であり、しっかりと対策をとれば家の中に入る熱量を10分の1にまで抑えることができる。
日射を遮る
一番簡単に日射を遮る方法は、日中帯でもカーテンを閉めることだ。
室内設置型カーテンは4割もの日射を遮る。
南面の掃き出し窓に関しては240Wもの熱を遮る計算となり、入り込む熱は半分だ。
ただデメリットとして室内が暗くなり閉塞感が生まれるばかりか、日中帯でも電気をつけて生活することになる。
もちろん太陽光の光で室内を明るくする方が気持ちが良い。
温度の快適性をとるか、光の快適性をとるか…
家庭ごとの価値観に左右される。
その点アウターシェードは有能だ。
明かりを取り込みつつ熱を遮り、日射を8割以上カットできるのだ。
↓YKK apのアウターシェード
↓価格もそこまでせずコスパも良い
↓外からの視認性を下げ、内からの視認性が高いのも特徴
南面掃き出し窓で480Wの熱を遮り、室内へは120Wしか進入させない。
掃き出し窓4個で480Wと、コタツ1個分にも満たない。
合わせてよしず・すだれ・シャッター・雨戸なども効果が大きい。
一番のポイントは『窓の外で日射を遮る』ことだ。
コスパ・性能・快適性でみると、アウターシェードがおすすめだ。
軒・庇
アウターシェードが一番の夏対策かと言えばそうでもない。
上には上がいる。
それこそ軒(のき)と庇(ひさし)だ。
軒↓
庇↓
軒・庇は太陽の日射を遮り、家の中に入る熱量を10分の1にまで抑える。
またカーテンや外付けブランドど比べ光を多く取り込める点、開閉操作が無い点、耐久性に優れている。
軒・庇の注意点
もちろん全てにおいて万能という訳ではなく、デメリットもある。
- 後付けがしにくい
後付け用の庇も販売されているが、外観バランスに影響が出やすいため注意が必要。
- 太陽の角度(方位)に影響を受けやすい
南面から日差しが入る日中は、上からの降り注ぐため効果抜群。
東西面へ日差しが入る朝夕は、横から入り込むため効果がほとんど無い。
南面でも夏は太陽の位置が高いため効果が大きいが、冬は太陽の位置が低いため遮ることができない。
しかし冬は日射を取り入れたいため、むしろ好都合なのである。
方位による対策
南面には開閉操作や光だけは取り込む観点から軒・庇の活用が一番オススメだ。
一方東西面へは横からの日差しに強いアウターシェードがオススメ。
ただよしず・すだれ・シャッター・雨戸でも十分である。
各方位の特徴に合わせた対策が望ましい。
風通し
冬以外の季節、風通し考え窓の配置を考える。
通風性を良くして家の中を快適にする。
ただ風というのはなんとも不確かな自然現象。
夏場は特に風はほとんど吹かなければ、春は花粉の影響から窓を開けれる家庭とそうでない家庭に分かれる。
それであれば夏は太陽光を遮る、冬は取り入れる工夫の方が優先順位は高い。
風通しを考え窓をたくさん配置するというのとは、夏は熱を取り込み冬は熱を逃がすという事を忘れてはいけない。
最も効率の良い方法
夏の遮熱に徹底的にこだわるのなら軒か庇を出し、日が上ったらカーテンと雨戸かシャッターを閉めることが望ましい。
雨戸やカーテンには断熱性能もあるため、日射だけでなく室外の熱を室内へ伝えにくくする。
冬であれば日が出たら雨戸・シャッター・カーテンを開け、日が沈み始めたらそれらを全て閉める。
夏は太陽が上る時間閉め、冬は太陽が沈む時間に閉める。
おわりに
パッシブハウスの考えを取り入れて消費エネルギーを最小限にする。
結果として電気代が安くなり家計が楽になる。
家は建てて終わりでなく、その後の生活スタイルにより快適性・満足度が大きく変わる。
自分たちに合ったスタイルを見つけ出し、よりよい生活ができれば家にいる時間がより幸せになる。
この記事が皆さんの生活に少しでも役立てば幸いだ。
そしてこの考えが日本全土に深く広まり、より快適な家づくり・生活が増え、消費電力が下がることを願いたい。